おうしょくじんたいこっかしょう

黄色靱帯骨化症

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概要

黄色靭帯骨化症とは、背骨を補強する靭帯のひとつ(脊髄の後ろ側に位置している)である「黄色靭帯」が骨になってしまう病気です。黄色靭帯が骨になると、近くに位置する脊髄(せきずい)が障害され、足のしびれや動きにくさなどの症状が生じます。

黄色靭帯骨化症は、日本では難病に指定されています。患者数は3,000人以上で、40歳以上の方に多くみられるとされています。

治療では、痛みやしびれを抑えるための薬物治療や、病変部を摘出する手術が行われます。

原因

黄色靭帯骨化症は、年齢、外力、遺伝など、複数の要因が絡み合って発症すると考えられていますが、原因は完全には明らかにされていません。

背骨は「椎骨(ついこつ)」と呼ばれる骨が、積み木のように縦につながることで形成されています。骨が積み重なるだけでは骨同士のつながりは不安定であるため、骨同士のつながりを強化するために靭帯が存在しており、そのひとつが黄色靭帯です。

黄色靭帯は背骨の内部にあるトンネル「脊柱管」の後ろ側を縦に走行しており、内側から骨を強化しています。脊柱管には脊髄(せきずい)が通っているため、黄色靭帯骨化症では脊髄が物理的な圧迫を受け、神経症状が現れます。

症状

黄色靭帯骨化症では、神経が圧迫される部位や程度によって、さまざまな神経症状が生じます。ほとんどは胸椎(背骨)にできるので特に足の症状が見られることが多く、しびれや力の入りにくさ、麻痺(まひ)、などが見られます。足の症状によって、つまずいて転びやすくなったり、歩きにくくなったりすることもあります。

また、排尿にかかわるトラブルが生じることもあります。脊髄の神経は、膀胱の中に尿を蓄積し、適切なタイミングで充分量の排尿を行うためにも重要なはたらきを担っています。そのため、黄色靭帯骨化症で脊髄に影響が及ぶと、尿が漏れてしまう、うまく出し切ることができない、頻尿になる、といった症状につながることがあります。

検査・診断

黄色靭帯骨化症では、問診による自覚症状の確認や、身体診察、画像検査が行われます。画像検査では、レントゲン写真やCT検査、MRI検査などを通して、黄色靭帯が骨に変化している状況、それによって脊髄が圧迫されている状況などを確認します。画像上確認できる変化が症状をもたらしていると判断される場合に、黄色靭帯骨化症の診断がなされます。

治療

黄色靭帯骨化症では、画像上の変化のみならず自覚症状がある際に治療対象となります。

治療としては、痛みやしびれを抑えるための薬物療法や、病変部位を摘出する手術があります。良好な経過を得るためには歩行の障害が重度にならないうちに手術をうけることが非常に大事ですので、手術のタイミングを逸しないためには継続的に専門の医療機関にて診療を受けることが大切です。

転倒をきっかけに症状が急速に増悪することがあるため、転倒に注意して日常生活を送ることも大切です。