治療
鼻中隔のゆがみ(鼻中隔弯曲)は多くの人にみられるものであり、ゆがみがあるからといって必ず治療が必要になるわけではありません。鼻閉などの症状で日常生活に支障をきたしている場合に治療が必要になります。
具体的には、対症療法的に抗アレルギー薬や抗ロイコトリエン薬、点鼻ステロイド薬などが用いられます。薬物療法により鼻中隔弯曲は改善しませんが、症状が改善すれば問題がないと判断されます。しかし薬物療法で症状が改善しない場合には、外科的に手術治療も検討されます。
手術は鼻中隔矯正術といい、鼻中隔粘膜下にある弯曲した軟骨や骨を切除することにより鼻中隔のゆがみを改善します。ただ小児においては、手術をするのは成長期が終わってからのほうがよいです。成長過程で鼻中隔の骨や軟骨が除去されると、鼻の発育が抑制され外鼻形態に影響をおよぼす可能性があるからです。
また安易に鼻閉を改善させる鼻用血管収縮薬を乱用してはいけません。市販薬としても販売されている鼻用血管収縮薬は、速効性がありますが作用時間は短く、連続使用で効果の持続時間が短くなり、使用後にリバウンド現象を引き起こします。そのため適切な使用法を理解しないと長期使用・乱用による鼻閉の悪循環(薬剤性鼻炎)を起こしてしまいます。
鼻中隔のゆがみにより鼻閉などの症状などがある場合には、専門の医療機関で診療を受けることが大切です。
医師の方へ
「鼻中隔弯曲症」を登録すると、新着の情報をお知らせします