治療
MOGADの治療には、大きく2つの段階があります。1つ目は症状が現れて間もない急性期における治療で、早期に炎症を和らげ、神経障害の進行を抑えるという目的があります。2つ目は、急性期の治療を終えた後に再発予防を目的として継続的に行う治療です。
急性期の治療
症状が現れた急性期の段階(再発した症例を含む)で行われる治療で、具体的には以下の方法が検討されます。
ステロイドパルス療法
副腎皮質ホルモンであるグルココルチコイド(いわゆるステロイド薬)という抗炎症薬を、大量に数日にわたって点滴する方法です。これが急性期における第一選択の治療となります。
免疫グロブリン療法
免疫グロブリン製剤(人の血液から作られた医薬品で、さまざまな抗体が含まれる)を点滴して免疫のはたらきを調整する方法です。
血漿交換療法
血液を一度体外に出し、原因となっている抗体などを含む血漿成分を血液製剤である新鮮凍結血漿やアルブミン製剤などの他の液体に置換してから体に戻す方法です。ステロイドパルス療法の効果が見られない場合などに検討されます。
再発予防の治療
MOGADは、子どもの発症例では半数程度が再発せず回復の経過をたどりますが、大人の場合は再発を繰り返すこともめずらしくありません。再発をきっかけに後遺症が残ることもあります。一方で、MOG抗体が陰性に転じた症例では再発率が低いというデータもあります。そのため、再発予防の治療を行うかどうかは、患者さんの年齢や再発の有無、検査の結果などをふまえて総合的に判断されます。
再発予防の治療を行う場合には、以下のような薬を用いた治療を検討します。
経口グルココルチコイド(ステロイド薬)
飲み薬のプレドニゾロンなどのグルココルチコイドを用いた治療を行います。再び症状が現れないことを確認しながら、数か月以上かけて投薬量を徐々に減らしていきます。
免疫抑制薬
免疫の過剰なはたらきや炎症を抑えるための免疫抑制薬による治療を行います。再発を繰り返す場合などに検討されます。
間欠的免疫グロブリン療法
数週間ごとに免疫グロブリン製剤を点滴し、再発の予防を目指します。間欠的免疫グロブリン療法は、子どもでグルココルチコイドや免疫抑制薬の使用がためらわれる場合などに検討されます。
生物学的製剤
B細胞を標的とする生物学的製剤による治療が試みられているほか、IL-6のはたらきや、病気に関与する抗体を減らす治療法などの開発が進んでいます。
副作用への対策
治療薬、特にグルココルチコイドを長期間使用する場合には、感染症にかかりやすくなる、骨がもろくなる、血糖値が上がるといった副作用に注意が必要です。副作用を早めに発見して対策を行うために、MOGADの治療においては定期的な受診と検査によるモニタリングが欠かせません。
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