原因
心臓が正常に血液を送り出すには、心臓が適切なタイミングで収縮・拡張をする必要があります。心臓が収縮をしたときには血液が送り出され、拡張をしたときには心臓に血液が補充されます。心臓の収縮・拡張運動は、電気活動により精密に調整を受けています。QT延長症候群では、心臓が収縮をした後、血液が心臓に戻ってきているタイミングでの電気活動に異常が生じています。
電気活動の異常を引き起こす原因は、大きく分けて先天的なものと後天的なものがあります。
先天性のQT延長症候群
「ロマノ・ワード症候群」と「ジャーベル・ランゲニールセン症候群」があります。両者には遺伝の仕方や併発する症状などに違いがありますが、いずれも突然死のリスクがあります。先天性QT延長症候群では遺伝子異常が存在することもわかっており、およそ半数以上の症例で遺伝子異常が確認できます。QT延長症候群でみられる遺伝子異常としては、心臓の電気運動に関わるものが知られています。
後天性のQT延長症候群
薬、電解質異常(低カリウム血症、低マグネシウム血症)、徐脈(脈が遅い状態)など、何らかの要因に伴って発症します。薬としては抗生物質、てんかん薬、高脂血症薬、糖尿病薬などが含まれます。後天性QT延長症候群についても、一部の方で遺伝子的な要因が関わっていることが知られています。
医師の方へ
「QT延長症候群」を登録すると、新着の情報をお知らせします