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人との縁を大切にしながら、患者さんと向き合う医療を提供したい

DOCTOR’S
STORIES

人との縁を大切にしながら、患者さんと向き合う医療を提供したい

今までも、そしてこれからも、人との縁を医師としての成長の糧にする、倉井修先生のストーリー

大阪市立十三市民病院 副院長
倉井 修 先生

教師のすすめが医師を志すきっかけに

私が医師を志したきっかけは、高校時代の数学の先生から「医学部を目指してみてはどうか」とすすめていただいたことです。その先生の奥様は、私が中学3年生のときの担任の先生で、そのお二人からすすめられて、私は次第に「医師を目指してみよう」と思うようになりました。

その後、医学部入学を目指した私は、何とか島根医科大学に入学できました。私の両親は医療業界に縁はなく、私自身も先生方にすすめられるまで医師を志したことはありませんでした。もし、お二人と出会っていなければ、私は医師を目指していなかったと思います。

1人の先輩との出会いが、その後の私の人生を決めた

島根医科大学に進学し、私はある1人の先輩と出会います。その先輩は、宴席でたまたま隣に座っていた方でしたが、同じ大阪府出身という共通点から意気投合しました。その席で、卒業したら大阪に帰ることを先輩から聞かされました。そのとき、理由は分かりませんが、先輩に何かの縁を感じた私は、「先輩を追って大阪に戻りたい」ということを伝えました。私の話を聞いてくださった先輩も、私と同じように何かの縁を感じていたのでしょうか。先輩は、肝臓病学と消化器病学を主催する大阪市立大学第3内科の医局長に私を紹介してくださったのです。ですから、肝臓病学を専門にするためのきっかけは、先輩からいただいたようなものです。今思えば、大阪に戻ることも、肝臓病学を専門にすることも、あまり深く考えずに決めてしまったかもしれません。けれども、自分に与えられたご縁を大切にしたい一心で、私は今まで以上に肝臓についての知識を深め、専門的な知識を身につけていきました。先輩についていった先では、さまざまな出会いや学びがたくさんありました。先輩には感謝しかありません。

1人の患者さんの治療から、その患者さん一家の担当医へ

私がまだ大阪市立総合医療センターに勤め始めたころに、著明な血小板減少を伴う急性肝不全で運び込まれてきた患者さんがいました。血漿交換とステロイド投与にて症状が落ち着いたのちに肝生検などの精査を行った結果、急性肝炎で発症する自己免疫性肝炎という比較的珍しい難治性肝疾患であることが分かりました。幸いなことにその患者さんは、維持量のステロイド内服にて病状は安定し、病気と上手に付き合うことができるまでになりました。ちなみに私は、この症例をきっかけに、大阪市立総合医療センターで過去に治療を受けたことのある自己免疫性肝炎の患者さんのカルテを遡り、データ化して自己免疫性肝炎の臨床研究を開始し、国内外の専門学会でいくつかの研究発表を行うことができました。私が大阪市立十三市民病院に移った今も、その患者さんとの関係は続いています。そして、自己免疫性肝炎は家族集積性(遺伝性)があることも確認されている病気で、その患者さんの娘さんが同じ病気を発症したため、大阪市立十三市民病院で入院治療を行い、今は親子で外来通院されています。私は、患者さんがこれからも病気と上手に付き合っていけるように全力でフォローアップをしなくてはいけないという責任感を感じています。

患者さんの喜ぶ顔が見たくて、患者さんと一緒に治療に向き合い続ける

私が大阪市立十三市民病院に着任したころは、B型肝炎やC型肝炎などに対する有効な薬はまだ開発されておらず、苦しい思いをしながら治療を受ける患者さんが多くいらっしゃいました。治療に苦しむ患者さんを目の当たりにして、医師として心苦しく思うこともありました。今では、抗ウイルス効果があり、副作用が少ないといわれている薬があります。

私の仕事は、医師として患者さんと向き合い続けることです。今まで病気に苦しんでいた人が、その病気を克服して喜んでくださったときの笑顔は、私にとって何物にも代え難い喜びです。もちろん、全ての病気が治るわけではありませんが、そのような患者さんには、病気と上手に付き合っていけるように、積極的なフォローアップをしていきたいと考えています。

私はこれからも患者さんと真摯に向き合い、患者さんに喜んでいただける医療を目指していくつもりです。

治療を提供するうえで、大切にしていること

私は医師として、患者さんと接するときに心がけていることがあります。それは、「患者さんの目を見て診察し、話すこと」です。これは、自分自身が小さい頃から「相手の目を見て話しなさい。目を見て話すことはとても大切なことだ」と言われてきたからかもしれません。ときに、患者さんの目を見て診察しない医師がいます。特に今の時代、多忙を極める医師は、どうしても電子カルテを見て診察をしていたり、患者さんの訴えに最後まで耳を傾けられなかったりする傾向があるように思います。このような態度をされて、不安に感じたことがある患者さんもいらっしゃることでしょう。

医師がきちんと患者さんの目を見て診察をしたり、話したりすることで、患者さんの心に安心感が芽生え、少しずつ病気の状態や治療がよい方向に進むこともあると思います。だから私は、患者さんの目を見て診察し、話しかけ、ときには触れ合いをすることを大切にしています。これからも、患者さんに正面から向き合う医療を実践していきます。

たくさんの縁があって、ここまでやってきた

私が、今こうして肝臓の専門医として患者さんを担当することができるのは、たくさんの縁があってのことです。中学校・高校の先生、先輩、同僚など、多くの方々からの支えがあり、そして、患者さんとの出会いのなかでさまざまな学びを得て、今の私がいます。

私は、今まで患者さんと正面から向き合うことを大切にしてきました。これからも、人との縁を大切にしながら、患者さんと正面から向き合う医療を提供していきたいと思います。

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