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インタビュー

MERSとは(1)―MERSの基礎知識

MERSとは(1)―MERSの基礎知識
倉田 毅 先生

国際医療福祉大学塩谷病院 教授/中央検査部部長

倉田 毅 先生

韓国で流行していることが大きなニュースとなっているMERS(Middle East Respiratory Syndrome 中東呼吸器症候群)。耳慣れない病気ですし、とにかく「怖い」というイメージだけをお持ちの方も多いと思います。実際はどのような病気なのでしょうか。MERSの基礎知識について、国際医療福祉大学教授であり、元国立感染症研究所所長の倉田毅先生にお話をお聞きしました。

MERS(Middle East Respiratory Syndrome)は、日本語では「中東呼吸器症候群」と言われます。ヒトコブラクダが自然宿主といわれており、2012年に登場し中東で流行した、MERSコロナウイルスによる感染症です。
なお、2003年に流行したSARS(Severe Acute respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群)の原因もコロナウイルスの仲間です。この場合は中国杭州でハクビシンを食べた方が香港に帰りメトロポールホテルに宿泊し、発症して死に至りました。

流行地域・発生地域は、MERSの名前の通り、中東諸国(アラブ首長国連邦・イエメン・イラン・オマーン・カタール・クウェート・サウジアラビア・ヨルダン・レバノン・バーレーン)が中心です。
バーレーンについては厚生労働省のホームページには記載がありませんが、韓国で発生した症例がバーレーンからの帰国者であることが報告されています。

また、厚生労働省によれば以下16か国で患者の報告があります。これらの患者は全て流行地域である中東へ渡航歴がある人、またはその接触者であることが分かっています。

  • ヨーロッパ(イタリア・英国・オーストリア・オランダ・ギリシャ・ドイツ・フランス・トルコ)
  • アフリカ(アルジェリア・エジプト・チュニジア)、アジア(フィリピン・マレーシア・韓国・中国)
  • 北米大陸(アメリカ合衆国)

WHOによると、MERSの発生者が多い上位3か国は、2015年6月23日の時点で以下の通りです。

  1. サウジアラビア 1026人
  2. 韓国 175人(6/23)
  3. アラブ首長国連邦(UAE) 76人

この中でも韓国では急速に流行が広がっており、原因となったのはただ1例ですが、短期間で一気に世界第2位まで順位を上げてきました。

厚生労働省によれば、MERSの検査には以下の様な2つの手順が取られます。

  • 「都道府県等の検査機関(地方衛生研究所)でMERSのスクリーニング検査(MERSコロナウイルスの少なくとも1つの遺伝子領域の確認)を実施」
  • 「地方衛生研究所の検査結果が陽性の場合、国立感染症研究所において確定検査(MERSコロナウイルスの少なくとも2つの遺伝子領域の確認)を行い、ここでも陽性になったものをMERS患者(確定例)とします。」

また、MERSは感染症法で「2類感染症」です。2類感染症は、厚生労働省によれば「国内でMERSの患者が発生した場合、医師による患者の届出や、患者に対する適切な医療の提供等が、法律に基づいて行われます」とあります。

参考サイト
厚生労働省:中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A
WHO:最新のMERS発生状況

記事1:MERSとは(1)―MERSの基礎知識
記事2:MERSとは(2)―MERSの感染経路と予防
記事3:MERSとは(3)―MERSの症状と治療、致死率は?
記事4:MERSとは(4)―SARSと韓国におけるMERS流行の経験から考えるべきこと
記事5:MERSのまとめ-感染症の専門家に聞く。

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