アレルギー性鼻炎の抗原は日常生活に密接に関係しているものが多く、避けることがとても難しいものです。しかしできる限り予防することで、症状を軽減させる可能性もあります。ここからは日常生活での注意点を地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 耳鼻咽喉科 主任部長の川島佳代子先生にうかがいました。
アレルギー性鼻炎の一番の予防策は、抗原との接触をできるだけ避けることです。掃除をこまめに行い、部屋の通気をよくすること、また湿度や室温に注意を払うことも大切です。
花粉など屋外に抗原がある場合は、野外でのケアだけを中心に考えてしまいがちですが、帰宅時に花粉などの抗原を部屋に持ち込んでしまうこともあります。
そのため、衣類などについてしまった抗原を落とすことや手洗い、うがい、洗顔など基本的なことを徹底して抗原の侵入を防ぐことも大切です。
マスクの着用はもちろん有効ですが、付け方が重要になります。ポイントとしては、抗原が横から侵入しないようにプリーツを広げてピッタリ密着させることです。またメガネについても、ゴーグルのように横から入らないタイプの着用が望ましいです。
タバコには様々な化学物質が入っているため、鼻から吸い込むことで鼻粘膜を痛めます。また鼻閉をきたすこともあるので、やはり他の疾患と同じようにアレルギー性鼻炎にとっても良いものではありません。
同様にお酒についても鼻閉をきたすことがあるため、可能であればアレルギー性鼻炎の症状がでているときには控えめにした方がよいでしょう。
人間の鼻には「ネーザルサイクル」と呼ばれるサイクルがあります。
これは、左右交代で鼻閉が起こるサイクルで、朝は鼻が通りやすく、夜は鼻閉が起きやすくなるというものです。交代で働く理由としては、鼻の粘膜を休息させるためであり、片方ずつ8割と2割程度の力で交代を繰り返し働いています。
このサイクルは、アレルギー性鼻炎発症の有無に関わらず誰にでもあるものですが、ストレスや疲労により鼻閉が酷くなってしまうことがあるのです。
そのため、アレルギー性鼻炎の症状が出ているときには、特に休養を取り、リラックスして過ごすことが大切です。治療としてではなく、補助的にアロマテラピーなどのリラクゼーショングッズを使うことも悪くありません。
しかし健康食品などの中には効果がはっきりしていないものも多くあるので、注意が必要です。漢方などでは「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」のように鼻汁への効果が認められているものもありますが、やはり医師への相談を行ったうえで治療を進めることが確実といえるでしょう。
地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪はびきの医療センター 耳鼻咽喉科 主任部長
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