インタビュー

SIDS(乳幼児突然死症候群)に対する在宅アプノモニター  いつ必要なのか―いつ必要でないのか

SIDS(乳幼児突然死症候群)に対する在宅アプノモニター  いつ必要なのか―いつ必要でないのか
徳田 安春 先生

群星沖縄臨床研修センター長 筑波大学客員教授 獨協大学特任教授 東邦大学客員教授 聖マリアンナ...

徳田 安春 先生

Choosing Wisely

SIDSとは、乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome)の略称で、一歳未満の乳児の原因不明の突然死のことです。

SIDSは、稀な疾患ではあるものの、保護者の心配は相当なものです。未熟児はより発症確率が高くなり、また、兄弟がSIDSで亡くなっている場合はさらに発症率が高まります。

在宅アプノモニターは、睡眠中の乳児の呼吸と心拍数を記録するものです。呼吸がしばらく停止したり、心拍が異常に遅くなれば警報が鳴ります。

不安を覚える親たちにとって、このモニターは良い解決策のように思えるかもしれません。しかし、大半の乳児にとって、在宅アプノモニターは必要ないのです。その理由は以下の通りです。

在宅アプノモニターはSIDSの予防にほとんど、または全く貢献しない

研究では、無呼吸とSIDSの明確な関連は示されていません。正期産の新生児ですら、生後2、3週までの間に無呼吸になることがあります。しかし、これはSIDSとは関係ありません。

モニター自体が不要な心配を生む

在宅アプノモニターによる誤警報は少なくありません。この音のせいで、親は過剰に心配するようになるうえ、睡眠が妨げられます。

健康なはずの我が子の健康状態を、医療機器を使って度々チェックするとなると、恐怖心や不安感は強まるのでしょう。

ある研究では、健康状態をモニターされている子どもの親たちは、そうではない子の親たちに比べ、抑うつ気分を感じていることが示されています。

SIDSから乳児を守るより良い方法は存在する

SIDSの研究は、多数なされてきています。1994年の「Back to Sleep」運動の開始以降、アメリカでは、SIDSによる死亡数は半分になっています。

この運動ではSIDSのリスクを減らすために、二つの重要な方法を推奨しています。

・乳児を常に仰向けに寝かせること。(うつぶせにはしないこと。)

・ベビーベッドのマットレスは硬いものを使用し、枕、毛布、ぬいぐるみはベビーベッドに入れないこと。

これらは「再呼吸」を防ぐのに役立ちます。再呼吸は乳児がうつぶせに寝たり、柔らかいベッドに包まれることで起こることがあります。乳児は、酸素に富んだ新鮮な空気を吸い込む代わりに、多くの二酸化炭素を吸ってしまうことになり、これが、SIDSになるリスクの増加につながるのです。

在宅アプノモニターが必要になる場合は?

稀なケースですが、医師が乳児への在宅アプノモニターを勧めることもあります。たとえば、乳児が在宅酸素療法を必要とする場合や、深刻な呼吸障害を抱えている場合です。

アドバイスコラム

乳児のための安全な睡眠

常に乳児を仰向けに寝かせるように。

最新の安全基準を満たしたベビーベッドを使用してください。あらゆる柔らかい寝具を避け、柔らかな玩具、枕、掛け布団、ぬいぐるみ、人形などをベッドに入れないようにしましょう。

乳児と一緒に寝ないこと。

柔らかい寝具や、乳児の頭の上に覆いかぶさってしまうことにより、誤って窒息させてしまう恐れがあります。ベッドで授乳した後でも、ベビーベッドに戻してあげてください。

授乳してあげてください。

授乳がSIDSのリスクを最大75%削減するという研究があります。

家庭皆で禁煙を。

タバコの煙は、SIDSの主要なリスク因子です。妊娠中の喫煙は避けましょう。家や車の中、その他の場所についても、乳児の周囲に喫煙環境がないよう確認してください。

おしゃぶりの使用について、今一度考えましょう。

いくつかの研究により、寝ている間におしゃぶりを使用している乳児はSIDSのリスクが低いということが示されています。しかし、もし授乳中ならば、おしゃぶりの使用は月齢1か月まで待ちましょう。まずは、乳児が授乳に慣れるのが先決です。おしゃぶりを好まない場合、強要してはいけません。

夜、乳児に服を着込ませすぎないように。

体温が高くなりすぎると、SIDSのリスクが高まります。乳児のいる部屋は、23℃以下に保ってください。

※本記事は、徳田安春先生ご監修のもと、米ABIMによる “Choosing Wisely” 記事を翻訳し、一部を日本の読者向けに改稿したものです。

翻訳:Choosing Wisely翻訳チーム 学生メンバー・大阪医科大学 荘子万能 佐竹

監修:小林裕貴、徳田安春先生