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乳幼児突然死症候群
乳幼児突然死症候群(SIDS: Sudden Infant Death Syndrome)とは、主に1歳未満のお子さんに発生する突然死をもたらした症候群のことを指します。乳幼児突然死症候群は、「...
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乳幼児突然死症候群にゅうようじとつぜんししょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

乳幼児突然死症候群(SIDS: Sudden Infant Death Syndrome)とは、主に1歳未満のお子さんに発生する突然死をもたらした症候群のことを指します。乳幼児突然死症候群は、「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予想できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない」と定義されています。すなわち、それまで健康であった赤ちゃんが、何の前触れもなく、突然に亡くなってしまうことを指しています。

主に赤ちゃんが睡眠中に亡くなることが多く、残されたご家族に対しての影響は計り知れないものがあります。 日本においては年間100名前後のお子さんが、乳幼児突然死症候群で亡くなっていると報告されています。この数字がもたらす影響は大きく、2015年の統計上では乳児死亡原因の第3位を占めるほどです。発生数が多いのは2か月から4か月のお子さんに多いと言われていますが、どの月齢のお子さんにも生じることが知られています。さらに男児の方が、女児に比べてやや発生数が多いです。

原因

乳幼児突然死症候群の原因は、未だ明らかになっていません。そんななか、3つのリスク因子が重なると、乳幼児突然死症候群が発生すると推定する研究者もいます(「Triple-Risk Model」と呼ばれます)。このモデルにおいては、①乳児自身の脳が抱えるリスク因子、②月齢的な発達に関与した因子、③外的な要因が重要であると考えられています。

①乳児自身の脳が抱える因子

乳児自身の脳が抱える因子とは、特に睡眠中の呼吸や心拍を司る脳の発達が未熟であることを意味します。人間の体は、酸素と二酸化炭素のバランスを無意識のうちに保てるように自然に呼吸パターンを変化させることができます。しかし、一部脳に未熟性がある赤ちゃんの場合には、この呼吸パターンが行われておらず、睡眠中に酸素と二酸化炭素の調整がうまくいかなくなってしまう可能性があります。

②月齢的な発達に関与した因子

乳幼児突然死症候群の発生が多い月齢は、発達面において劇的な変化を見る時期です。これは睡眠パターンや運動機能の変化と言う眼に見えての変化はもちろんですが、そのほか、心拍数や呼吸パターン、血圧などとても微妙な変化も含まれます。こうした劇的な変化が、一時的でも赤ちゃんに不安定さをもたらし、乳幼児突然死症候群の発生に関与している可能性があります。

③外的な因子

乳幼児突然死症候群は、うつぶせ寝をしているお子さんやご両親が喫煙をしているお子さんの場合、あるいはお子さんが風邪を引いているときなどに発生することが多いことが知られています。このような外的な要因だけで発生するものではありませんが、こうした因子も乳幼児突然死症候群を引き起こす一端を担っていると想定されています。

これら因子は、それぞれ単独で乳幼児突然死症候群を発生させるわけではありません。また、すべてがそろったからといって必ず突然死が引き起こされるものでもありません。しかしながら、この3つの因子がそろうことで、赤ちゃんが乳幼児突然死症候群の危険性に晒されうると考えられています。

症状

乳幼児突然死症候群の症状は、突然死以外のものはありません。それまで成長発達に異常もなく、突然死を引き起こすような病気を指摘されていないようなお子さんに生じます。また、睡眠時に起こることが多いのですが、赤ちゃんが寝る前も普段と比べて格段の変化も認めません。まさに、それまで健康ですくすく育っていた赤ちゃんが、突然亡くなる病気です。

検査・診断

乳幼児突然死症候群を未然に予知できる検査はありません。また乳幼児突然死症候群の診断のためには、突然死を引き起こした明確な原因が存在しないことを証明することが必要です。そのため、亡くなった赤ちゃんを解剖して、突然死を引き起こした原因が何かないかどうかを検索する必要があります。もし解剖を行い、たとえば突然死を引き起こしうる心臓病が見つかった場合などには、乳幼児突然死症候群とは診断されません。

治療

乳幼児突然死症候群の治療方法はなく、予防のためにとるべき以下のアプローチが推奨されています。

①うつぶせ寝をさせない

乳幼児突然死症候群の発生率は、うつぶせ寝をさせていると高まることが知られています。そのため不意の突然死を避けるためにも、特に両親の目が離れる状況においては、できるだけうつぶせ寝を避けることが勧められています。具体的には、固めのベッドの上に、仰向けになるように赤ちゃんを寝かせることがよいとされています。事実、うつぶせ寝を避けるようにする啓蒙活動が功を制し、近年の日本の動向を見ると乳幼児突然死症候群は減っていることが統計的に示されています。

また、うつぶせ寝をさせるアフリカ系アメリカ人においては、乳幼児突然死症候群の発生率がやや高いことが報告もされています。 ただし仰向けの状態であっても、柔らかい毛布やキルトなどが顔にかかっている状態で乳幼児突然死症候群のお子さんが発見されることも知られています。そのため、赤ちゃんが寝ている環境中には顔を覆うようなものを置かないことも必要です。

②母乳育児の推進

母乳栄養児では、乳幼児突然死症候群の発生率が低い可能性が示唆されています。諸説ある部分ではありますが、厚生労働省においては、乳幼児突然死症候群の予防のために母乳栄養についても推進しています。

③家族の禁煙

両親を含む家族が喫煙をしていると、乳幼児突然死症候群の発生率が高いことが知られています。喫煙そのものは赤ちゃんの気道だけではなく、呼吸を司る赤ちゃんの脳にも悪影響が及ぶ可能性があります。そのため、両親を含めた赤ちゃんの同居人が禁煙をすることが推奨されています。

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