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インタビュー

日本におけるスポーツ脳振盪の啓蒙活動の重要性

日本におけるスポーツ脳振盪の啓蒙活動の重要性
前田 剛 先生

日本大学 医学部脳神経外科/麻酔科 准教授、日本大学医学部附属板橋病院 麻酔科 科長

前田 剛 先生

事故を未然に防ぐために、スポーツに取り組む地域の団体や学校で何ができるのでしょうか。日本大学医学部脳神経外科准教授前田剛先生にお話をうかがいます。

まず考えられる方法のひとつとして、中学校と高校の場合、文部科学省が競技者や指導者に頭部外傷についての正しい知識をレクチャーすることです。

ただし、高校以上になると全国の協会や大学ごとの連盟など各競技団体が存在しますので、そのような団体が啓蒙活動を行うことも重要です。日本サッカー協会や日本ラグビーフットボール協会などは、すでにそういった啓蒙活動や試合中の方針に取り組んでいます。また、国際的にも、FIFAやIRB、NFLなどは熱心に取り組んでいます。

しかし、段階的復帰のプログラムを実際に守っている選手は約3割程度という調査結果があります。これは、仮に脳振盪と診断されても選手の出場や復帰を判断するのが選手自信であることにあります。海外においては、この最終的な判断を選手以外の他者が行うことがほとんどで、他覚的なチェックシステムが確立されています。

たとえばオーストラリアには、非常に興味深いチェックシステムがあります。まず、生徒は入学前に全員テレビゲームのような3分程度のコンピュータテストを受けます。その結果をデータ化し、学校外部の企業に蓄積します。そして、フットボールなどコンタクトスポーツをやっていて頭を打った場合、その翌日以降に入学前に受けたテストと同じコンピュータテストを受けます。この時、たとえば「入学前の測定では100点だったのに今は30点しか取れていない」という結果が出た場合「脳振盪の状態」と判断できます。つまり、入学前に測定した「脳がダメージを受けていない状態」と、「頭を打った後の状態」を第三者が他覚的に比較することができるのです。登録は無料で、怪我をしてチェックソフトを利用したい場合にのみ、その利用料として費用が発生します。

もし欧米のように学校からも競技団体からも独立した絶対的権限を持つアドバイザーがいたならば、啓蒙活動がよりうまくいくのは間違いないでしょう。

しかし、そのようなアドバイザーが存在せず、スポーツ頭部外傷について周知する教育システムも確立していない以上、日本においてはスポーツに携わるすべての国民が理解しなくては事故が防げないのです。医師でない方にもできるだけわかりやすく頭部外傷の危険性がある際に目安にできるように、2015年秋には日本臨床スポーツ医学会から『頭部外傷10か条の提言』も発表されています。頭部外傷における危険性や搬送の注意、復帰の原則などがわかりやすくまとめられていますので、ぜひ参考にしてください。

日本臨床スポーツ医学会 『頭部外傷10か条の提言 第2版』

http://concussionjapan.jimdo.com/

 

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