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インタビュー

公開日 : 2015 年 05 月 09 日
更新日 : 2017 年 05 月 07 日

転んだり階段で滑ったりしてしまい、頭を打ってしまうことはしばしばあります。頭を打ってしまったときに注意しなければならないのは、どのような症状なのでしょうか。日々救急の第一線で多くの患者さんに向き合い、アメリカでも活躍された東京ベイ・浦安市川医療センター救急科部長の志賀隆先生にお話をお伺いしました。(なお、子どもの場合については別記事をご参照ください。)

危険な頭の「打ち方」と「症状」

頭を打ったときに特に怖いのは、頭蓋内出血(頭の中の出血)で、緊急の脳外科的な治療が必要になることもあります。「打ち方」と「症状」に注意しながら頭蓋内出血のリスクを考えていきます。

危険な打ち方とは?

一般的には、頭を打った時に大きなエネルギーがかかっている場合が危険です。「カナディアンCTルール」という基準などを参考に考えると、受診すべきなのは以下のような場合です。

  • バイクもしくは車にはねられた
  • バイクもしくは車から放り出された
  • 1メートルより高い位置から転落した
  • 階段で、5段以上転落してしまった

また、お酒を飲んでいる人には特に注意が必要です。酔っ払って寝ているだけなのか、本当に意識がなくなってしまっているのかの区別がつかないからです。東京ベイ・浦安市川医療センターの場合、お酒を飲んで酔っ払っている人に対しては、ほとんどの場合頭をCTで検査します。

どのような症状が危険?

以下のような場合は、危険であると考えてください。

  • 頭を打った時の記憶がない場合
  • 頭を打ってから30分以上の全健忘(記憶喪失)がある場合
  • 頭痛がどんどんひどくなる場合
  • 嘔吐した(複数回吐いた、2回以上嘔吐している)場合
  • 手足のしびれ、片麻痺(半身に力が入らない)がある場合
  • 物が二重に見えてしまう場合
  • けいれんが起きた場合
  • 意識がない、眠り込んでしまう場合
  • ぼんやりしている、話が通じない、的外れのことを言う場合
  • 暴れ出してしまう場合
  • パンダのような眼になっている場合
  • 耳の後ろにあざがある場合

「頭を打ったとき」のよくある疑問について

タンコブは?

「タンコブがあったら大丈夫」という話がなぜか広まっていますが、都市伝説です。タンコブがあるということは、頭を打ってしまったことに間違いないので、「タンコブがあるから大丈夫」ということには何の根拠もありません。その中でも、特に側頭部のタンコブは気にすべきです。頭の骨の硬さの順番は「1:前頭部、2:後頭部、3:頭頂部、4:側頭部」です。人間は前を向いて歩きますので、きちんとガードできるように、前の骨が一番硬くなっています。
ただし、それでもタンコブによる危険性の上がり方は軽いと考えるべきです。

めまいは?

頭を打ったあとのめまいはほとんどの場合、脳震盪です。つまり、「脳震盪になるぐらい強く打っている」ということですから、めまいがあったら受診を検討するべきです。

頸(くび)が痛いときは?

危険な可能性があります。頭を打って、さらに「頸椎損傷」をしている可能性もあります。頚椎損傷は頸椎という頸の骨がダメージを受けることで、それにより脊髄の神経が損傷すると全身麻痺になる危険性もあります。頸の強い痛みに加え、麻痺や手足のしびれがあるときには救急車に来てもらいましょう。絶対に頸をむやみに動かしてはいけません。

鼻血は?

鼻血自体よりも「血の混じった薄い鼻水のような液体」が出ていると危険です。「髄液性鼻漏」の可能性があります。髄液性鼻漏は「脳や脊髄のまわりの髄液」が頭を打ったことなどにより鼻に出てきてしまっている状況です。

頭を打ったとき、心配なときは何科にいけば良い?

救急外来(救急科)、脳神経外科に受診をしましょう。