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インタビュー

「怖い」「危険な」頭痛について知っておくべきこと-救急受診の必要性

「怖い」「危険な」頭痛について知っておくべきこと-救急受診の必要性
志賀 隆 先生

国際医療福祉大学医学部 救急医学講座教授、国際医療福祉大学病院救急医療部

志賀 隆 先生

頭痛はとても一般的な「よくある症状」です。しかし、頭痛の中にはしばしば、怖い病気が隠れていることがあります。救急受診が必要な「怖い」頭痛とはどのような頭痛なのでしょうか? 日々救急の第一線で多くの患者さんに向き合いアメリカでも活躍された、三田病院救急部長の志賀隆先生に、お話を伺いました。

頭痛は「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2種類に分類されます。
一次性頭痛は「原因となる病気がない頭痛」のことであり、片頭痛群発頭痛緊張型頭痛などのことを指します。QOLは損なわれますが(生活の質には悪い影響がありますが)、すぐに治療をしないと死に至るようなものは含まれません。

二次性頭痛は「原因となる病気があり、それにより引き起こされる頭痛」です。その原因には、くも膜下出血などの危険な病気も含まれます。二次性頭痛こそが非常に危険であり、注意しなければならない「怖い」頭痛なのです。

一次性頭痛
・片頭痛、群発頭痛、緊張型頭痛

二次性頭痛
・くも膜下出血、脳出血髄膜炎脳腫瘍緑内障、側頭動脈炎、静脈洞血栓症、椎骨脳底動脈解離
(これらについての詳しい説明は、別記事をご参照ください)

それでは、「怖い」頭痛である「二次性頭痛」が疑われるのはどのような頭痛なのでしょうか。これを考える上では、日本頭痛学会のガイドラインが参考になります。特に注意しなければならないのは、くも膜下出血を疑わせるような頭痛です。つまり、「瞬間的に最強点に達して、その瞬間を覚えているような頭痛」です。

・突然起こる頭痛
私は患者さんに「頭痛が起きたその瞬間に何をしていたのか覚えていますか?」という聞き方をよくします。つまり、「何をしていたか覚えているくらいに突然に発症して一気に強くなる頭痛」が危険なのです。「一気に」という言葉が指す時間の幅は、おおよそ1時間程度と考えられます。オタワSAHルールというカナダの研究では「発症してから1時間以内に最強になる」とされています。

・過去に経験したことがない人生最大の頭痛
「人生最大の頭痛」「金槌で殴られた頭痛」「バットで殴られたような痛み」などの表現が当てはまる場合は、くも膜下出血の疑いが濃厚です。

・労作(運動)に伴う頭痛
運動をしていたり、作業をしていたりして血圧が上がっているときに起きる頭痛にも、危険な病気が隠れていることがあります。

・麻痺もしくはしびれなどの神経症状を伴う頭痛
麻痺だけではなく、手足のしびれを伴う頭痛は脳出血の前駆症状(前兆として現れる症状)であることがあります。

その他、以下のような頭痛にも注意してください。

・いつもと様子の異なる頭痛
・頻度と程度が増していく頭痛
・50歳以降ではじめて起こる頭痛
・がんや免疫不全など基礎疾患を持つ患者さんの頭痛
・精神症状を持つ患者さんの頭痛
・高熱に加え、頸の痛みを持つ患者さんの頭痛
・全く目を開くことができない頭痛
・痛すぎて意識消失をしてしまった頭痛

頭痛めまいの関係は?
・頭痛に伴ってめまいがあるときは、小脳出血・小脳梗塞などの可能性も考えられます。血液をさらさらにする薬であるワーファリンやNOAC(新規抗凝固薬)を飲んでいる患者さんは注意が必要です。

頭痛と吐き気・嘔吐の関係は?
・吐き気だけが頭痛と一緒にあるという状況は、一次性頭痛(命にかかわることのない頭痛)である片頭痛でもよくあります。ただし、繰り返す嘔吐に加えて頭痛があると危険な印象があります。何度も何度もゲーゲー吐いてしまう、吐きすぎて辛いという場合は、危険な頭痛である可能性が高いです。

頭痛と鼻血との関係は?
・経験上、鼻血が危険な頭痛の兆候である危険性は低いです。ただし、頭を打ったあとに薄い血が混じった鼻水のようなものが垂れてくる、という場合は「髄液漏」(脳の脊髄液が漏れてしまうこと)によるものであることがあり注意が必要です。

以下のような方が頭痛を感じた場合は、特にこの「怖い」頭痛に注意してください。

・がんや免疫不全など基礎疾患を持つ患者さん

・血液をさらさらにする薬であるワーファリンやNOAC(新規抗凝固薬)を飲んでいる患者さん

・高齢者や認知症がある方

・妊婦さん
妊婦さんの場合、そもそも放射線を浴びることを避けるので、CTを取りづらいです。そのため、くも膜下出血などを画像で発見しにくくなります。

生活習慣病をお持ちの方
50~60代の男性で高血圧糖尿病というような方は特に注意が必要です

・家族もくも膜下出血になっているという方

・病院に全く行ったことがない・行くことが少ない方
外来通院ができなさそうな人、病院から遠い人、忙しくて病院に行けない人、検査をしたり経過を全く見ていない人、全然病院に行ったことがない人、かかりつけの病院がない人、など色々なケースがありますが、こうした方々には危険性があるといえます。それは、全く病歴がわからず、今までどのような状態だったのか、病気を持っていたのかどうかがわからないためです。

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