院長インタビュー

地域医療を支え、研究にも尽力する松波総合病院のあゆみ

地域医療を支え、研究にも尽力する松波総合病院のあゆみ
松波  英寿 先生

社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院 理事長

松波 英寿 先生

この記事の最終更新は2018年01月08日です。

岐阜県羽島郡笠松町に位置する社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院は岐阜県全体の医療を支えるほか、研究施設「まつなみリサーチパーク」を開設し、医療を研究の面から支えるなどの活躍をみせる民間病院です。 1902年から115年(2017年8月現在)にわたって存続する歴史ある病院であり「医療の質」の向上にも注力しています。

今回は松波総合病院の取り組みについて理事長の松波英寿先生にお話を伺いました。

社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院は、1902年に前身となる松波病院が開院してから100年以上の歴史を誇る民間病院です。現在新館・本館を併せて501床を有し、岐阜県内の急性期医療、回復期医療などに幅広く従事しています。

また当院は開院当初から松波家系が代々病院を後継しており、松波家の先祖をたどると戦国時代の武将である斎藤道三につながることでも知られています。2017年8月現在でも130名を超える医師のうち7名は親類が各診療科で活躍していることが特徴です。

当院が所属する社会医療法人蘇西厚生会では、急性期医療・回復期医療を担う松波総合病院の他、幾つかの施設を構え、地域の方々の健康や高齢化社会に向けた医療体制の整備を行っています。

 

<社会医療法人蘇西厚生会の施設>

・松波総合病院

・松波総合病院 介護老人保健施設

・まつなみ健康増進クリニック

・在宅事業部

・まつなみリサーチパーク

 

なかでも今回は松波総合病院と研究分野で活躍するまつなみリサーチパークについて詳しくご紹介します。

松波総合病院は地域医療支援病院、地域災害拠点病院にも指定されており、地域医療に深く貢献しています。地域の医療を守るために当院が第一に力を入れているのは「医療の質」の向上です。

当院では、開院当初から1人でも多くの患者さんを救うことができるよう、新しい技術を早期に取り入れ、治療にあたってきました。2017年8月現在でも、医療の質を向上させるため、さまざまな医療機器の導入を積極的に行っています。

当院には2017年8月現在28の診療科があり、それぞれの分野で活躍しています。特に各診療科が力を十分発揮できる環境を整えるため、麻酔科、放射線科、病理診断科など「中央診療部門」の人員の確保と育成に力を入れています。

外科医、内科医が適切な治療を行うためには、治療の基盤となる中央診療部門の充実が必要です。当院は麻酔科10名、放射線科5名、病理診断科2名(2017年8月現在)が在籍しており、いざというときに診断・治療ができるよう体制を整えています。

また当院は地域災害拠点病院として、考えられるさまざまな可能性に対応できるように日頃から努力しています。ヘリポートの配備や、水害時対応できるようなボート、交通状況が不安定なときでも現場に駆けつけられるようリアカーなどを用意し、いざというときに備えています。

私は「医療の質」を高めるために最も大切なことは医師やパラメディカルスタッフ(医療従事者)の育成だと思っています。特に医師は患者さんだけでなくスタッフや地域の開業医の先生に信頼されるべき存在です。そのため、当院では医師の育成に力を注いでいます。

私が思う「よい医師」とは、医療的な知識や向上心が高く、そのうえ人間としても尊敬されるような人格を持っている医師のことです。「この先生に診てもらいたい」「この先生になら患者さんを紹介したい」と地域の方に安心して頼っていただけるような医師の育成はとても大切なことだと思っています。

当院では医師やパラメディカルスタッフ(医療従事者)が診療だけでなく、研究にも尽力することができるよう、工夫しています。たとえば、論文執筆や特定の学術雑誌に論文が引用された際に生じるインパクトファクターの数値によって懸賞を用意したりすることで、学術的な士気をあげ、常に学びの姿勢を忘れない医療従事者の育成を心がけています。

当院では医師の希望を積極的に取り入れ、それぞれの理想とする医療がのびのびと行えるような環境を整えています。そのため「こんな医療を実現したい!」という強い志のある医師を特に歓迎します。前述の医療機器に関しても、そのほとんどは現場で活躍する医師の希望をうけて導入してきました。また、当院では留学の支援、奨学金制度なども配備し、当院に籍を置きながら国内外の他の医療施設で経験を積むこともできます。

また当院では、医療界の将来を担う若手医師の育成に力を入れています。1994年に臨床研修病院に指定され、働く医師がさまざまな認定医・専門医資格の取得をすることが可能です。年間8名の研修医を受け入れ、日本各地の大学から当院を志願してやってくる若手医師がいます。

 

当院は臨床分野で地域医療へ大きな貢献をしていることはもちろん、民間病院でありながら研究に注力していることが大きな特徴の1つです。当院では研究施設「まつなみリサーチパーク」を設立し、さまざまな研究を行い、現在4つの特許を取得しています。

この研究施設では医師だけでなくパラメディカルスタッフ(医療従事者)も中心となって研究を行えることが特徴です。そのため、当院には医師免許を取得していないが、当施設で研究を行い、論文を作成することで医学博士・理学博士などの資格を取得し、学術的に医療に貢献しているスタッフもいます。

また近年は、東京大学などとの共同研究も盛んに行われており、他の研究施設との協力体制も整っています。東京大学には肥満解消のための新治療を開発するため、肥満メタボリックケア講座を2017年4月に開講しました。

私は患者さんが自分の思うよい病院を選択し、受診されることを願っています。よい病院の定義はさまざまですが、私の思うよい病院とは患者さんが気持ちよく身を任せられる病院のことです。

当院では、多くの患者さんによい病院と思っていただけるようにさまざまな努力をしています。たとえば患者さんが気持ちよく退院し、安心して社会復帰できる病院であるために、急性期病棟だけでなく、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟などを配備し、長期的に患者さんを診ることができるようにしています。当院が地域のみなさまのよい病院となれるように今後も精一杯精進していく所存です。

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