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頚椎後縦靱帯骨化症の診断と治療

頚椎後縦靱帯骨化症の診断と治療
進藤 重雄 先生

国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 整形外科

進藤 重雄 先生

目次
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頚椎後縦靱帯骨化症とは、首に位置する、背骨の中を通っている後縦靱帯と呼ばれる靭帯が骨になる(骨化する)ことによって神経が圧迫され、手足のしびれなどの症状が現れる病気です。

2018年12月現在、この病気の根治的治療は見つかっていません。そのため、主に症状を和らげることを目指した治療が行われます。治療には、薬物治療や手術などの選択肢がありますが、どのようなケースで手術が行われるのでしょうか。

今回は、九段坂病院 整形外科の進藤 重雄先生に、頚椎後縦靱帯骨化症の診断と治療についてお話しいただきました。

レントゲン検査

頚椎後縦靱帯骨化症の診断のためには、基本的にレントゲン検査を行います。また、必要に応じてCT検査やMRI検査を行うこともあります。

たとえば、ある程度骨化が大きくなっていて、手足のしびれなどの神経症状が現れている場合や、骨化した部分にある程度厚みがあるような場合には、神経の圧迫の程度を確認するため、MRI検査を行うこともあります。

頚椎後縦靱帯骨化症の中には、レントゲン検査の結果のみでは病変を曖昧にしか確認できないために、骨化しているかどうか判断に迷うことがあります。このようなケースでは、CT検査を行って初めて骨化していることが明らかになるような場合もあります。なお、重症化しているタイプでは、手術の前に骨化の形態を確認するためにCT検査を行うこともあります。

また、手足のしびれなど症状が現れているかどうかに関わらず、知覚障害*の有無、筋力の程度なども確認していきます。

知覚障害:温度や痛みを感じにくくなること

なお、頚椎症性脊髄症*ヘルニアなど他の病気の診断を受けた患者さんが、他院や他診療科から当診療科に紹介され、改めて画像検査を行なった結果、頚椎後縦靱帯骨化症であることが明らかになるケースもあります。

頚椎症性脊髄症:加齢による変化によって首の脊髄が圧迫されることで手足のしびれ等の症状が現れる病気

問診

当院では、頚椎後縦靱帯骨化症の診断を行なった患者さんに対して、これからの経過をしっかりと説明するようにしています。それは、経過についてご説明しないことで、病名から重症化するイメージをもたれ、患者さんの不安につながってしまうことがあるからです。

記事1『頚椎後縦靱帯骨化症ってどんな病気?頚椎後縦靱帯骨化症の症状や原因』でお話ししたように、頚椎後縦靱帯骨化症と一言でいっても、必ずしも重症化し積極的な治療を必要とするケースばかりではありません。実際に、症状が現れないまま経過すれば治療を必要としないケースも多いです。

どちらの経過をたどる可能性が高いのか、現状の見解についてご説明させていただき、患者さんの不安を取り除くことができるよう努めています。

2018年12月現在、頚椎後縦靱帯骨化症の根治的治療は見つかっていません。そのため、主に症状を和らげることを目指した治療が行われます。

薬

軽症のまま経過するタイプで病気の進行が認められないようであれば、基本的に経過観察を行います。症状がわずかに現れているような方に対しては、必要があれば生活上の注意点をお伝えすることもあります。たとえば、わずかに手足のしびれがあっても日常生活を送る上では困っていないというようなケースでは、治療ではなく、日常生活を送りやすくするための指導をしながらの経過観察を行います。

なお、経過観察を行なっていく中で、病気の進行が認められ症状が強く現れるようであれば、手術など積極的な治療を行うこともあります。

薬物治療

頚椎後縦靱帯骨化症の症状を和らげる治療として、薬物治療があります。たとえば、首に痛みが現れていれば痛みを抑える鎮痛剤を用いて、症状を和らげます。また、手足のしびれなどが現れていれば、これらの神経症状を抑える薬を用いて治療を行います。

手術

すでに症状が強く現れ重症化している、あるいは病気の進行が認められ重症化する可能性が高い場合には、神経の圧迫を抑え症状を改善するために手術を行います。

ただし、手術を行ったとしても症状が完全になくなるわけではありません。

そのため、日常生活に支障をきたすほどの症状は現れていない、もしくは軽症で進行が認められないといったケースでは、手術を行っても大幅な改善が期待できないと考えられるため、手術の対象となる症例かどうかについては、慎重な判断が必要といえます。

一方で、症状が重症化すればするほど、回復が難しくなることが考えられます。そのため、病気の進行が認められる場合には、早めに手術に踏み切ることも重要といえます。

頚椎後縦靱帯骨化症の手術を行うかどうかは、手足のしびれなどの神経症状がどれくらい現れているかによって判断します。

また、この判断には、神経症状の進行を確認するための、患者さんと医師とのコミュニケーションがとても大切です。たとえば、患者さんとお話しする中で、1か月前は文字を書くことができたのに、現在は手のしびれによって文字を書くことが難しくなってしまったことがわかるケースがあります。あるいは、「以前と比べて信号をわたりきることができなくなった」、「手すりをつかむことなく階段の上り下りをすることができなくなった」というようなお話から進行の程度が医師に適切に伝わるケースもあります。

このように、現在の症状の確認とともに、問診も参考にしながら手術を行うかどうか判断していきます。

手術に対して不安があればセカンドオピニオンを求めて

頚椎後縦靱帯骨化症と診断され、手術することが決まった方の中には、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。本当に手術を行うべきか迷ったり、不安を感じたりするような場合には、手術が必要かどうか、他院にてセカンドオピニオンを求めることもおすすめします。

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  • 国家公務員共済組合連合会 九段坂病院 診療部長

    進藤 重雄 先生

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