大阪府柏原市に位置する市立柏原病院は、「市民のための病院」であることを使命として、地域医療を支えるために、救急医療やがん診療、周産期医療など、幅広い医療を提供しています。
市立柏原病院の診療の特徴や、理想の病院像について、病院長の佐藤博之先生にお話を伺いました。
当院が位置している柏原市は、人口減少と高齢化が徐々に進みつつある地域です。そのため、地域の医療機関や介護施設などと連携しながら、高齢の方でも地域の中で安心して医療が受けられる体制の構築に努めています。
また、医療機能連携病院である大阪市立大学医学部附属病院(以下、大阪市大病院)の協力も得ながら、地域医療を支え続けるために、日々取り組んでいます。
当院の特徴は、常勤医師全てが大阪市大病院から派遣されており、そのため診療科間の垣根が低く、院内連携がスムーズであるということです。たとえば、内科から外科へ治療方針に対する相談をしたり、緊急手術の依頼をしたりなど、情報を交換しながら協力して診療を進めています。
当院は、消化器内科・外科と循環器内科を主力としてきた病院です。その中でも、現在、特に力を入れているのが消化器がんの治療です。内視鏡治療や腹腔鏡手術など、患者さんの体への負担軽減が期待できる治療を積極的に実施しています。
また近年、当院では呼吸器内科の患者さんが増加傾向にあり、大阪市大病院から医師を派遣していただくようになりました。
このように、診療科間の連携や連携病院とのコミュニケーションを密に取りながら、患者さんに必要な医療を提供しています。
がん診療拠点病院として、治療から緩和ケアまでを包括したトータルながん医療を提供しています。手術はもちろん、外来化学療法室などの設備を備え、各種がん治療の充実に努めています。また、放射線治療が必要な場合は、大阪市大病院や近隣病院と連携することで対応しています。
当院では、2017年10月に緩和ケア病棟を開設しました。この病棟では、がんによる痛みや吐き気などの身体症状を和らげるほか、患者さんやご家族に対する精神的ケアも行っています。
また緩和ケア病棟は、患者さんが終末期を迎えたときにも、住み慣れた地域の病院に入院できるようにとの思いで設置しました。近隣地区にある医療機関から、患者さんを紹介していただくこともあります。
前述のように、当院の常勤医は全て大阪市大病院から派遣されており、提供できる医療には自信がありますが、さらに市民病院であるというアクセスのしやすさが当院の特徴の1つと考えています。地理的なアクセスだけでなく、必要なときにいつでも受診できるよう、内科系の24時間365日の救急体制をとっています。また、患者さんやご家族の気持ちに寄り添ったアクセスしやすい病院でなければならないと考えてみます。
私は医師の仕事ほど、やりがいのあるものはないと思っています。患者さんを助けることができる。これほど人の役に立てる仕事はありません。医師として仕事にプライドを持ち、人として患者さんに丁寧に接することで、心身ともに向上していってほしいと思います。
当院では、地域の皆さんにいつでも頼っていただけるように、この地域で医療を提供し続ける体制を整えています。たとえば大阪市大病院との連携で、医師の確保に努めています。また万が一、当院での対応が難しい場合には、速やかに大阪市大病院にご紹介し、対応していただいていますので、安心して当院を受診していただきたいと思います。
地域の皆さんには、親しみを込めて「市民病院」と呼んでいただいています。そして当院の職員も、市立柏原病院が市民のための病院であることを意識して働いています。
一人ひとりの患者さんの気持ちに寄り添える暖かみのある市民病院として、また地域の医療を支える中核病院として、これからもさらなる努力をしていきたいと考えています。
市立柏原病院 病院長
市立柏原病院 病院長
日本内科学会 認定内科医日本消化器病学会 消化器病専門医・消化器病指導医日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・消化器内視鏡指導医日本消化管学会 胃腸科認定医・胃腸科専門医・胃腸科指導医
1981年に大阪市立大医学部を卒業後、第3内科(消化器内科)に入局。消化器内視鏡検査・治療を中心に研鑽を積む。若手のころから上部・下部消化器管内視鏡、ERCPなど、内視鏡検査全般へ取り組むことで、得意分野としてきた。現在は、消化器疾患のみならず内科疾患全般の診療にあたり、患者さんから信頼される親切で丁寧な診療に尽力している。また、市立柏原病院の病院長として、経営改善にも熱心に取り組んでいる。
佐藤 博之 先生の所属医療機関
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現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。