頭痛の中には天気の変化がきっかけとなって起こるものがあります。そのメカニズムについてはいまだ明らかになっていなことが多いですが、特に春~秋にかけての日差しが強い時期や、気圧が低くなるときに頭痛を感じる人が多くなるといわれています。
頭痛は痛みの感じ方やきっかけの違いによっていくつかのタイプに分けられます。天気の変化がきっかけとなって起こる頭痛は、“片頭痛”と呼ばれるタイプだと考えられています。
片頭痛に悩まされている人は国民全体では8%程度ですが、20~40歳代の女性では頻度が高く、30歳代では5人に1人が片頭痛を持っているといわれています。片頭痛を発症する誘因(きっかけ)として天気を挙げる人は多く、天気の変化をきっかけに痛みを感じたことがある人は片頭痛患者の半数以上に上ります。
本記事では、天気の変化によって引き起こる頭痛のメカニズムや受診の目安、様子を見る場合の対処方法について解説します。
頭痛は非常にありふれた病気ですが、いまだに明らかになっていないことが多いといわれています。すでに分かっていることには“誘因”という考え方があり、ある特定の事象や環境が引き金となることによって頭痛を引き起こしたり、症状を悪化させたりすることが明らかになっています。天気の変化はそのような誘因のひとつです。
頭痛で痛みを感じるメカニズムについてはある程度研究が進んでいます。たとえば天気の変化が誘因となって起こる片頭痛では、中枢神経系(脳幹や上皮細胞など)や三叉神経(顔の感覚を脳に伝える神経)、および頭の血管系が関連し合うといわれており、神経が過剰に興奮したり脳の血管が拡張したりすることで痛みが生じるといわれています。
天気の変化をはじめとした誘因が体にどのような影響を及ぼして、頭痛を引き起こしているかについてもいまだ明らかになっていないことも多いです。しかし神経の興奮を促したり、血管を収縮または拡張させたりする作用によって痛みを引き起こすものが多いと考えられています。
天気の変化が体に及ぼす影響については、さまざまな研究が進められています。たとえば天気と痛みの関係を調べた動物実験では、気圧の低下が耳の内部(内耳)を刺激し、自律神経の反応を引き起こしていることが示されており、内耳と自律神経が何らかのはたらきを持っている可能性があると考えられています。しかし、ヒトを対象とした研究は少なく、このタイプの頭痛を引き起こすメカニズムも明らかではないといえるでしょう。
前述の通り天気の変化が誘因のひとつとして考えられている片頭痛は、詳しい発症原因が分かっていません。しかし女性ホルモンと関連があり、20~40歳代の女性に多いといわれています。
天気の変化が誘因となる頭痛(片頭痛)は頭の片側に起こることが多く、ときには寝込むほど強い痛みを感じることがあります。日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。
また、注意すべきは何らかの病気が原因となって起こる頭痛(二次性頭痛)です。今まで経験したことのない頭痛が前触れなく現れた場合、脳の重大な病気が原因となっていることがあります。直ちに医療機関を受診するようにしましょう。
頭痛を専門とする診療科は脳神経外科や神経内科ですが、町の診療所にはないこともあります。その場合、かかりつけの内科でも診てもらえるでしょう。
様子を見る場合は、市販の鎮痛薬が有効なことがあります。効き目の強さや副作用の出方は薬によって異なりますので、薬剤師に相談しながら自分に合った薬を使うようにしましょう。薬を使い続けてもなかなか症状がよくならない場合は、思わぬ病気にかかっている恐れもありますので医療機関を受診するようにしましょう。
また、片頭痛は痛みの前に予兆や前兆と呼ばれる症状が現れることも特徴です。胃が気持ち悪い、空腹感がある、眠気を感じるなどの予兆や、キラキラした光が見える、ものが二重に見えるなどの前兆が現れた場合は無理をせずに体を休めるようにしましょう。
天気の変化と頭痛には深い関わりがあります。天気が悪くなると頭が痛くなるという人は決して気のせいではなく、天気の変化が誘因した頭痛が起こっている可能性があります。症状を和らげたり、発症を予防したりする薬もあるため、つらい症状がある方は医師に相談してみるようにしましょう。また、頭痛は天気の変化のほかにも寝不足やストレスが誘因となることが分かっています。規則正しい生活を心がけ、ストレスをためないようにしましょう。
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