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病院で行うED(勃起障害)治療とは ~治療薬以外にも種類がある? 原因によって適した治療を受けることが可能~

病院で行うED(勃起障害)治療とは ~治療薬以外にも種類がある? 原因によって適した治療を受けることが可能~
堀江 重郎 先生

順天堂大学大学院医学研究科 泌尿器外科学 教授

堀江 重郎 先生

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EDは“勃起障害”または“勃起不全”と呼ばれる病気のことであり、性交時に十分な勃起が得られなかったり、勃起を維持できなかったりして満足な性交が行えない状態と定義されます。加齢とともに頻度が高くなる病気ですが、20歳代、30歳代の若い世代にも見られることがあります。

EDはデリケートな問題であり、一人で抱え込んでしまう人も多いですが、病院ではより効果の高い治療を受けることができます。それでは、病院で受けられるEDの治療にはどのようなものがあるのでしょうか。

正常な勃起は、男性が性的刺激を受けると脳が陰茎部の血管を拡張させる信号を送り、陰茎の血流が増大することで起こります。しかし、何らかの原因によりこのいずれかのメカニズムが障害され、EDとなることがあります。

ED治療では、ED治療薬と呼ばれる薬が第一選択として用いられます。さらに、EDには体に異常がなく心理的・精神的な原因で起こる“心因性ED”、神経系や血管系など、体の異常が原因で起こる“器質性ED”、およびこれらの両方が混在する“混合型ED”があります。

診察によってどのような原因があるかを突き止め、ED治療薬に加えて原因に応じた治療を行うことで、より高い治療満足度が期待できます。また、EDは生活習慣が原因で起こることもあるため、これらの治療に加えて生活習慣の改善を試みることも有効です。

EDは、血管や神経の障害の影響を強く受けるため、加齢に伴い頻度が増加する病気です。しかし、健康的な生活を送っていればいくつになっても勃起機能に大きな問題がない場合もあります。その人の状態によっては80歳を超えてもED治療が受けられる場合もあるため、まずは医師に相談してみるとよいでしょう。

EDの治療は民間療法を含めてさまざまなものがありますが、医学的に効果が証明されたものは病院でしか受けることができません。

病院で行われるEDの治療には、以下のものがあります。

ED治療の中心となる治療で、陰茎部の筋肉細胞に直接作用することで勃起を促進する効果があります。日本で使用できるED治療薬はシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの三つです。いずれも勃起機能を向上する効果は似ていますが、効果が持続する時間や副作用の出方などが異なります。

これらの薬を購入するためには医師の診察と処方せんが必要になります。近年、ネット通販などで処方箋なしで買えるED治療薬が流通していますが、そのうち半分以上は偽物であるともいわれており、効果が得られないばかりか健康被害が報告されているものもあります。そのため、ED治療薬を使用する際には必ず正規の方法で購入することが大切です。

心因性EDや混合性EDは心理的な要因やストレス、精神疾患などが原因になっていることがあります。このような場合は、患者の悩みや精神面に向き合うことがEDを改善する重要な要素となります。

心理療法の代表的なものには、患者との対話を通してその悩みに向き合うカウンセリングがありますが、心の深いところに隠れている深層心理が原因となっている場合は、一般的なカウンセリングでは原因究明が難しい場合もあります。この場合は心理カウンセラーや精神科医による専門的な治療が必要になります。

陰茎に陰圧をかけて血液を吸引し、疑似的な勃起状態を起こす器具です。ED治療薬の効果がない患者や、ED治療薬が使用できない患者に対して用いられます。

性機能に必要な男性ホルモンが不足している場合に用いられる治療です。テストステロンと呼ばれる男性ホルモンを注射し、勃起機能や性欲を改善する効果があります。

器質性のEDで選択されることがある治療です。陰茎に形状的な問題がある場合に行われる陰茎形成術や、陰茎の血管に問題がある場合に行われる血管手術などがあります。

初診に適した診療科は泌尿器科で、特にEDを専門に扱っているところがよいでしょう。

病院では、問診を中心に行いEDの原因や勃起状態を把握します。ED治療薬を使用する場合は、血液検査を行い、必要に応じて勃起能力を測る追加検査などを行うこともあります。

ED治療は保険適応外のため、診察料や検査費用は、各医院が任意で決めることができます。治療費が気になる場合は、事前に問い合わせるとよいでしょう。年間の医療費が高額になった場合は、確定申告することで医療費控除を受けることもできます。

EDの治療には代表的なED治療薬のほか、さまざまな治療法があります。EDの原因によって適した治療が異なるため、EDの症状に悩んでいる場合は医療機関を受診してみるとよいでしょう。

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