さかまつげ

さかまつ毛

別名
逆さまつげ
最終更新日
2018年09月21日
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2018/09/21
掲載しました。

概要

さかまつ毛とは、まつげが自分自身の目に向かって生えている状態のことを指します。さかまつ毛によってまつげが角膜を傷つけることがあり、目の充血や視力の低下などをもたらすことがあります。また、お子さんにさかまつ毛を見ることも少なくはありません。症状が強い場合には、早い段階で専門家の診療を受けることが重要であると言えます。さかまつ毛は、インターネット上では逆さまつげと検索されていることも多いようです。

原因

さかまつ毛は、まぶた全体が内側に折れ込んでいることを原因として生じることがあります。専門的には「眼瞼内反症」と呼ばれる状態で生じ、脂肪が多いお子さんや老人に見られることが多いです。子供の場合には、成長と共に自然に改善することが期待できる状態です。また、1本から数本のまつ毛のみが眼球方向に向けて生えることを、「睫毛乱生」と言います。

その一方、目の周囲の感染症や炎症を原因として生じるさかまつ毛があります。ヘルペスウイルス感染や細菌感染による眼瞼炎などをきっかけとしてまつげの生え方に変化が生じ、さかまつ毛が後天的に引き起こされることがあります。その他、眼球周辺の外傷や、やけどなどが原因となることや、薬剤によるアレルギー反応の一種であるステーブンスジョンソン症候群の後遺症としてさかまつ毛が生じることもあります。

症状

さかまつ毛では、まつげによって眼球が傷つけられることがあります。その結果として、目の充血やゴロゴロとした違和感、涙目などが生じることがあります。また、角膜の感覚神経は過敏であり、まつげによる刺激によって痛みを生じることもあります。

さらに、角膜はものを見るために、透明度が高く円滑な表面をしていることが強く求められる部分です。しかし、さかまつ毛が存在することで角膜が慢性的に傷つけられてしまい、透明性や平滑さが著しく障害を受けることがあります。その結果として、まぶしさや視力低下などの症状が引き起こされることもあります。

さかまつ毛は、幼少期のお子さんにも見ることがある病気です。ただし、お子さんのまつげは柔らかく、角膜への刺激は成人に比べて弱い傾向があります。また、成長と共にお子さんのさかまつ毛は改善することが期待できるため、症状の変化に注意しながら経過を追うことが重要です。

検査・診断

さかまつ毛は、基本的にはまつげの生え方を詳細に評価することで診断されます。さかまつ毛において、角膜の傷や潰瘍が疑われる際には、細隙灯鏡顕微鏡検査が行われることもあります。

その際、フルオレセイン染色と呼ばれる染色を行い、より詳細に角膜に生じた傷の状態を評価することもあります。その他にも、視力障害が疑われる際には視力検査を行うこともあります。

治療

さかまつ毛はお子さんに生じることが多いですが、自然治癒も期待できます。そのため、目の症状が増悪しないかどうかを見ながら慎重に経過観察することがあります。

しかし、自然治癒が期待できないとき、症状の増悪が懸念される際には、手術によってまつげの向きを変更する必要があります。1本から数本のまつ毛のみが異常な方向に生えている場合には抜去したり、毛根の電気分解をしたりすることが行われます。

診断、治療には高い専門性が求められるため、最適な治療を受けるためにも早い段階で医療機関を受診することが求められます。

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