さいへるにあ

臍ヘルニア

別名
でべそ
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

臍ヘルニアとは、いわゆる“でべそ”のことを指し、生後へその緒が取れたあとにへそが飛び出ている状態を指します。5〜10人に1人の割合で発生します。

美容的な問題を示すことはありますが、ヘルニア部に飛び出ている腸管等が嵌頓(かんとん)することはほとんどありません。子どもの運動機能の発達に伴い腹筋が発達することになり、臍ヘルニアは自然に治る傾向が強いです。しかし、一部のお子さんでは、臍ヘルニアが改善しないこともあり、状況によっては手術などの治療介入が行われることになります。

原因

子宮内では、赤ちゃんはへその緒(臍帯)を介して母親とつながっています。出生後にはへその緒が切断され、へその緒がお腹からはがれ落ちることで、へそが形成されます。しかし、へその緒が取れたあとにも、へその形成過程がうまくいかない場合に臍ヘルニアを発症します。

腹直筋と呼ばれる腹部の筋肉の間を通って、お腹の中の臓器(腸管や脂肪など)が皮膚に覆われた形で体の表面に飛び出てくるのが臍ヘルニア、いわゆる“でべそ”です。

また、臍ヘルニアの原因は、出産後のへその緒の処理がうまくいかなかったためではありません。

症状

左右の腹直筋の間の一部脆弱(ぜいじゃく)な部位から腸管などが飛び出ることで“でべそ”となります。赤ちゃんが泣くとお腹に圧力が強くかかり、お腹の臓器(消化管や脂肪組織など)が脆弱部位から飛び出るようになります。そのため、臍ヘルニアは生後1か月頃から徐々に明らかになっていき、生後3か月頃まで増大する傾向にあります。しかし、この頃以降は、運動面の発達に伴い腹部の筋肉が発達し、腹部の脆弱部位が筋肉でカバーされます。そのため、およそ1歳までの間にほとんどのお子さんで臍ヘルニアは自然治癒します。

しかし、一部のお子さんではこうした治癒過程がうまくいかずに“でべそ”として残存し、美容的な問題を残すことになります。

なお、ヘルニアでは嵌頓が問題になる可能性がありますが、臍ヘルニアは嵌頓をきたすことはほとんどありません。

 

検査・診断

見た目の特徴的な様子から診断できます。そのため、必ずしも検査が行われるということはありません。

まれながら嵌頓をきたした場合や、手術的な治療介入が必要となった際には、ヘルニアの状況を確認することを目的として超音波検査やCTといった画像検査が行われます。

治療

臍ヘルニアは自然治癒する病気のため、特に治療せずに経過観察します。しかし、中には臍ヘルニアが増大して、“でべそ”は治っても、へその形が歪むなどの問題を生じることが懸念されます。そのため、“でべそ”を外的に圧迫する方法(スポンジ圧迫法など)がとられることもあります。圧迫方法をとることで、臍ヘルニアの自然治癒を早期の段階から促すことが期待できます。

1歳以上になると自然治癒が期待しにくくなります。臍ヘルニアの問題は多くの場合は美容的なものであり、手術的にヘルニアを治すことが行われることもあります。手術的な治療介入を行うタイミングについては経過や施設によっても異なるため、状況を見て手術が行われます。

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