概要
アイカルディ症候群とは、脳梁欠損・網脈絡膜裂孔・点頭てんかん(スパズム発作)という3つの症状を特徴とする、指定難病のひとつです。
罹患率については正確な人数は不明ですが、アイカルディ症候群の患者さんは、およそ9万~17万人にひとりの割合で発症するのではないかといわれています。また、患者さんのほとんどは女性です。
原因
アイカルディ症候群の原因については、現時点では明らかになっていません(2018年6月時点)。基本的には突然変異と呼ばれるランダムに突然起こる遺伝子の異常が原因ではないかと想定されていますが、いまだ解明されず、国内外にて研究が進められている状況です。
また、アイカルディ症候群を親子で発症した例は報告がなく、遺伝する可能性についても正確なことは明らかになっていません。
症状
アイカルディ症候群の主な症状は、脳梁欠損・網脈絡膜裂孔・点頭てんかんです。脳梁欠損とは、生まれつき起こる脳の奇形のひとつです。
網脈絡膜裂孔とは、目の奥に広がる膜状の組織に異常がある状態の一つを指します。点頭てんかんとは、てんかんの一種です。うなずくような動作に見える、首、体幹、四肢の筋肉の瞬間的な収縮をともなうスパズム発作が特徴です。
そのほか、発達の遅れ、背骨や肋骨の異常、まれに口唇口蓋裂などの症状もみられます。
検査・診断
アイカルディ症候群は、脳梁欠損・網脈絡膜裂孔・点頭てんかんが併発しているかどうかを調べることにより診断されます。
脳梁欠損を調べるためには、MRI検査などの画像検査が検討されます。網脈絡膜裂孔を調べるためには、眼底検査などの眼科的な検査が検討されます。てんかんの有無を調べるためには、けいれん発作時の様子の確認や脳波検査の実施も検討されます。
治療
アイカルディ症候群の原因は今のところ判明しておらず、根本的な治療法はありません(2018年6月時点)。そこで、てんかん発作など、実際に現れた症状を緩和する対症療法が主な治療となります。
てんかんの治療では、抗てんかん薬の投与が検討されます。しかし、アイカルディ症候群でみられるてんかんは、治療しても治りにくい(難治性)といわれています。
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