症状
アスペルガー症候群では、以下を特徴とした症状が出現します。
- 社会的コミュニケーションの障害
- 興味や活動の偏り
知的障害や言語発達の遅れがないことで自閉症と区別されます。
社会的コミュニケーションの障害
アスペルガー症候群の方は、一見すると他人に興味がないように見えます。しかし、本当に興味がないわけではなく、どうやって他人と関わっていけばいいのか、その方法が分からない状況です。
こうしたことから、アスペルガー症候群の方は人のなかで浮いてしまうことが多く、幼児期には一人遊びが中心となります。しかし、他人にリードされること、自分より年齢が小さい子をリードすることなどで、集団行動が可能なこともあります。
アスペルガー症候群では、場や年齢にそぐわない言葉づかいをします。また、年齢相応の羞恥心や常識についての理解が乏しいこともあり、オブラートに包んだ表現をすることも苦手です。本人に悪気があるわけではなく、思ったことを正直にいう傾向があります。しかしこうした気持ちは他人には伝わらないこともあり、対人関係に障害をもたらすことがあります。
興味や活動の偏り
アスペルガー症候群の方は、興味や活動の仕方に偏りがあります。こうした傾向が学問に向かう場合(たとえば数学やコンピュータープログラミングなど)には、驚くべき成果を達成することもあります。しかし、こうした傾向は必ずしも社会的な意味を持つものばかりではありません。
たとえば、バスのルートや時刻表を詳細まで記憶していることがあります。こうした情報は、アスペルガー症候群の方にとってはとても興味深いものであるため、他人と情報を共有しようとしますし、話題を変えることを嫌がることもあります。その結果、友人関係において、「話題が面白くない」「会話がつまらない」などの評価を受けることもあります。
アスペルガー症候群では、これらの症状があることから人間関係の構築に問題をきたすことがあり、学校生活や会社での環境において孤立することもあります。また、自身の気持ちが周囲に伝わらないことを経験して引きこもりになったり、うつ状態を呈したりすることもあります。
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