アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラムと呼ばれる発達障害のひとつで、典型的な自閉症とは異なり、知的発達と言語発達の遅れがみられないものを指します。自閉症スペクトラムには2つの特徴があり、1.コミュニケーションや対人関係の困難、2.限定的な興味やこだわりが強い点が挙げられます。しかしながら知的発達・言語発達の遅れがないために表面上はコミュニケーションが取れることも多いことから、大人になって初めてアスペルガー症候群と診断される方も多いです。アスペルガー症候群の症状やADHDとの違いなどについて、昭和大学発達医療障害研究所 講師の太田 晴久先生にうかがいました。
アスペルガー症候群とは、自閉症をはじめとする自閉症スペクトラムのひとつです。自閉症とよく似た特性を持ちます。しかしながら典型的な自閉症と異なり、知的発達の遅れと言語発達の遅れの双方がみられない点が特徴です。
アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムのなかでも知的発達や言語発達の遅れがみられないため、表面上は会話ができているようにみえます。しかし、あいまいな表現や行間を読むことが苦手なため、何となく話が通じにくいという面があります。言外のコミュニケーション(相手の表情を読み取る、身振り手振りなど)もうまく理解することができません。
アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムの患者さんは、他者への関心が薄いことから相手の気持ちを理解することが苦手です。そのために、会話が一方的だったり、自分の興味のない話だとまったく関心を示さなかったりといったことが起きます。
興味や関心が限定的な点も、アスペルガー症候群など自閉症スペクトラムの方の特徴です。関心があることに対しては、類まれな記憶力や集中力を発揮します。
一方、こだわりが強く自分が納得できるまで物事に取り組むことから、要領があまりよくない、急なスケジュール変更などに対応しにくいという面もあります。
アスペルガー症候群含む自閉症スペクトラムの患者さんは、ある感覚が過敏だったり、鈍感だったりすることがあります。また、手先が不器用、球技が苦手など動きのぎこちなさがみられることもあります。感覚の偏りや動きのぎこちなさから、以下の行動がみられます。
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アスペルガー症候群の症状は、大人と子どもで共通していて差はありません。発達障害であることから、子どものころから症状が持続しています。ただ、幼いころに周囲のサポートなどが密で症状があまり問題とならない環境だと、アスペルガー症候群と気づかれないまま大人になってしまうことがあります。
アスペルガー症候群は、知的発達や言語発達の遅れがない自閉症スペクトラムです。そのため、一見すると何も問題がないようにみえ、表面上のコミュニケーションは取れることから発見が遅れがちです。発見が遅れると、仕事のミスや人間関係の悪化から自尊心が低下し、うつ病などの二次障害に発展する場合があります。
アスペルガー症候群は知的発達や言語発達の遅れがなく、また学業が得意な場合もみられることから、学生時代にはあまり問題視されることなく過ごせることがあります。しかし、大人になって就職活動や仕事においてコミュニケーション能力が要求されると、アスペルガー症候群の症状による困難が顕在化して社会生活に影響が出てしまうのです。
現在(2017年)、アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムには、ADHDのように症状に対して効果のある薬はありません。そのため、基本的にはソーシャルスキルトレーニングなどコミュニケーション能力を高めるトレーニングや、周囲へのサポートを厚くすることでアスペルガー症候群の症状で生じる困難を緩和していきます。
アスペルガー症候群の患者さんが、自身でできる症状への対処法は3点あります。
アスペルガー症候群の特性は出てしまうものとしてとらえ、なるべく特性によって生活が妨げられることのないよう、周囲の手を借りながら生活していくことが大切です。
アスペルガー症候群とADHDの違いについて、疑問に思われる方も多いことでしょう。ADHDは、アスペルガー症候群とちがい、不注意・衝動性・多動性の3つを主症状とする発達障害です。
どちらの発達障害も対人関係に困難をきたしますが、その理由は異なります。アスペルガー症候群が相手の気持ちをうまく理解できないために対人関係に困難が生じるのに対し、ADHDは相手の気持ちは理解できるものの、衝動性による失言、不注意によるケアレスミスの多発などで最終的に対人関係に困難が生じます。
なかには、不注意・衝動性・多動性の症状がみられる発達障害であるADHDとアスペルガー症候群の両方の特徴がみられる方もいます。
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昭和大学 発達障害医療研究所 准教授
関連の医療相談が10件あります
障害について
小学生の時にアスペルガー症候群と診断され大人になってから攻撃的な暴言などがありコミゥニケーションがとれない。社会にでて人とのトラブルがあり仕事ができなくなりこの一か月前に入院して退院し、医師から適応障害と診断されました。現在自宅にて安静にしていますが不眠や不安攻撃な言葉などがありどう対応していいのか?わかりません。
自閉症スペクトラム(アスペルガーの疑いは伝えるべきか)
子どもが軽度のアスペルガーではないかと思っています。子どもに伝えていません。学校や家庭で大きく困ったことはありませんが、小さなイライラをたくさん溜めているように思えます。(特に家庭内) 『発達障害かもしれないから』というわけではなく、単純に個性・苦手な部分として向き合った方がいいと思って親として日々試行錯誤しています。リビングの私物を片付ける事など共同の場でやって欲しい事がマイペース過ぎたり、ありがとう・ごめんなさいを伝える場面の価値観が一般と違い少し独特でなかなか言えないなどがそう思う原因ですが、話していると学力が高い息子の方が理屈が一枚も二枚も上手でこちらもイライラしてしまいます。本人も自分がイライラしてしまう性格に悩んだり、自分に障害があるから親は怒るのか?と怒りをぶつけて来たりします。本人に『発達障害(アスペルガー)かもしれないよ』と伝えた方が良いのでしょうか?伝えないまま、徐々に自分がそうではないか?と疑い、仮に診断された時に『親は分かってくれてなかった』と理解者が居ないショックを受けるのではないか?と懸念する一方、こちらから伝えた時に『自分の事を障害者だと決め、区別している』とショックを受けるのではないか?という正反対の懸念をしています。軽度のアスペルガーかもと言っているのも私の自己判断です。学習障害であってもなくても、親は理解者であってあげたいと思うので、本人にとって一番良い方法で対応してあげたいのですが、疑いを伝えるべきでしょうか?(また、少しでも疑っているなら受診するべきでしょうか?)それとも大きく困ったことがなければ、これまで通り時に言い合ったり、少し距離を置いたりして付き合っていく方が良いでしょうか?(必要な情報か分かりませんが、私自身も何か発達障害的な部分があるのではないかと思う時があります)
アスペルガー症候群のコントロール方法
幼少のころから何をしても覚えるのが人よりも早く、実家が会社を起こして引っ越すがバイトしたいと言うと家でやれ!と、強制的に実家のバイトになる。その後、兄貴が建築科大学に進むが同じ分野を選んでも仕方ないから自分はデザイン科に進む。その後、実家に勤めたくないからデザイン会社に就職するが内部闘争に巻き込まれ職を失う。その後親に家に来いと誘われしぶしぶ従うが僕が3年もすると仕事を覚えてしまい親父の言う事を聞かなくなり、それが原因で3年間音信不通の旅に出た。しかし、これといった場所を見つける事が出来ずに実家へ戻ると、2年で突然変異の頭がたぶんストレスの限界を起こし、倒れてしまう。その後、自分が何者なのか知りたくて、色々と足を運ぶが、精神疾患?はてな状態のまま精神科に入院してみた。しかし薬漬けにされ、気狂い扱いされ、見かねた身内がまともな病院に転移させるが入退院を繰り返す結果になり、この実家の環境がストレスなんじゃないか?と感じまた去る。その後躁病と診断されたのは快復し、ふつうの会社員、結婚をするが、実家の確執が改善出来ない事にかなりのストレスを感じてる日々。こんななか、親父が死んで出たくない葬式関連に行かざるを得なくなり、苦しくて体長不良になるがふとした事で自分は発達障害なのではないのか?の情報を得た。検索すると、俺の事が書いてある。やっと自分が何者なのかわかったが脳の暴走をコントロールしたいので方法を教えて欲しいです。最近、最高のパートナーにしたい女性とその幼い子供に出会い、閃いて一気に行動しました。まず嫁に離婚を突きつけ、成功し、次は実家の離れに兄貴と喧嘩してるのにずけずけと掃除をしに行き、あとでそこに住めないとなると会社に離婚するから家賃のやすい地方に異動したい意向を伝える。こんななか、親父が死んで出たくない葬式関連に出るはめになり、ストレスがたまる。僕は相続を破棄すると言ってるのにお袋が引かないからストレスがたまる。この行動を三日間でしました。こんな変人たる突拍子の行動を自分でコントロールしたいんです。過去に精神科に入院するのも親に相談しないで行いましたし、それが後で家族に大迷惑させて、また去る事に繋りました。僕は発達障害の持ち主なのか?知りたいです
発達障害の検査について
先日ADHDの検査を受けました。 WISEⅢという検査で、結果は一部苦手な分野があるが、顕著なADHDではないという内容でした。 個人的には、思春期前から対人関係の悩みがあり、アスペルガーの検査を受けたいのですが、ADHDの検査を受けてすぐでも検査を受けることは可能でしょうか。心理テストが重複すると、正確に測れないのではないかという不安があります。
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