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インタビュー

公開日 : 2017 年 09 月 12 日
更新日 : 2017 年 09 月 14 日

アスペルガー症候群・自閉症の特徴は? 両者の違いも解説

コミュニケーションがうまく取れず対人関係が築きにくい、特定のものに強いこだわりを持ちすぎてしまうといった特徴がみられる「アスペルガー症候群」と「自閉症」。このふたつはこれまで、精神障害の診断と統計マニュアル第4版(DSM-Ⅳ)という診断基準で広汎性発達障害のなかの「アスペルガー障害」および「自閉性障害」として、別々に分類されていました。

しかし2013年、新たに発表された第5版(DSM-5)では、アスペルガー症候群や自閉症を区別せず、どちらも「自閉スペクトラム症」というひとつの診断名にまとめられることになりました。

なぜ、アスペルガー症候群と自閉症はどちらも「自閉スペクトラム症」にまとめられたのでしょうか。本記事では発達障害の診療に詳しい信州大学医学部附属病院 子どものこころ診療部 部長の本田秀夫先生に、アスペルガー症候群と自閉症の捉え方をお伺いしました。

アスペルガー症候群・自閉症とは

アスペルガー症候群・自閉症とは

アスペルガー症候群とは、双方向の社会的コミュニケーションを維持することが苦手・周囲との共感性に乏しい・マイペースに関心のあることに向かって行動してしまうという特徴をもつ発達障害です。言語発達に遅れはみられないものの、他者とコミュニケーションをとるうえで、相手にわかりやすい言葉を選択することや、他者の発言の微妙なニュアンスを直感的に理解することが困難です。また、周囲の状況・他人の関心に構わず自分の好みのものに熱中してしまう特性があるため、家庭や学校・職場などの社会的な場において深刻なトラブルを引き起こすことがあります。

一方、自閉症はかつて、まれにしかみられない重い障害と考えられ、人から話しかけられても相手にしない、目をあわせないといったコミュニケーション上の障害を持ち、まるで自身のなかの殻に閉じこもってしまったような特徴をもつ病態とされていました。しかし1970年代後半以降からは、そうした典型的な重度の自閉症だけではなく、ある程度の対人関係はとれるが双方向になりにくい人なども自閉症の仲間に含めようという考え方が広まりました。

アスペルガー症候群・自閉症は「自閉スペクトラム症」に

アスペルガー症候群や自閉症などの発達障害を含めた精神疾患を診断するときには、主に下記の2つの診断基準が使われています。

以前は、DSMの分類でも、ICDの分類でも、「広汎性発達障害」という発達障害のカテゴリの下位分類(さらにこまかい分類)として、みなさんも耳にしたことのある「自閉性障害(自閉症)」「アスペルガー障害(症候群)」などの診断名がそれぞれ存在していました。DSM・ICDどちらの分類を用いるかによって、疾患の定義や診断名はすこしずつ異なります。

しかし、冒頭でもお話したように、DSMは2013年に第5版(DSM-5)が発行され、自閉症もアスペルガー症候群も「自閉スペクトラム症」というひとつの診断名となることが決められました。

(※Rett障害は原因となる遺伝子が明らかになったため、ひとつの独立した疾患として新たに定義されています。)

では、なぜDSMではこのような改訂がなされたのでしょうか。その理由は、自閉症とアスペルガー症候群というふたつの概念を明確に区別することが非常に難しいためです。なぜこのふたつの疾患を明確に分けることは難しいのか、ここからは自閉症とアスペルガー症候群が発見され定義されていくまでの歴史を振り返りながら、その理由を紐解いていきましょう。

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