自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)とは、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などを含む発達障害の総称です。ほかには“自閉症スペクトラム障害”と呼ばれることもあります。自閉スペクトラム症の特徴は乳幼児期から現れ始めますが、就学後の環境の変化によってその特徴はさまざまな形に変化して表に出てくるようになります。
そこで本記事では、自閉スペクトラム症の子どもが児童期に示す特徴について詳しく解説します。
自閉スペクトラム症は、対人関係が苦手なこと、コミュニケーションが苦手なこと、強いこだわりを示すことが典型的な特徴として知られています。生まれてから6歳までの乳幼児期にはこれらの特徴が発達のでこぼこ(得手不得手の差が目立つ状態)として現れます。
生後から2歳頃までは運動の発達に大きな遅れはありませんが、一方でコミュニケーションの面では通常の発達との違いが現れはじめます。特に共同注意(興味をシェアすること)の発達が遅れることが多く、興味をもって他者の視線の方向を見ることや、指さしによって他者と興味を共有しようとすることが少ない、というのがこの時期に気付かれやすい特徴です。
2歳以降は、他者との関係性をつくるのが難しい、非言語的コミュニケーションが苦手、といった特徴が見られるようになります。この時期には相手の話した言葉をオウム返しにする、一定のパターンの行動に没頭する、順序やものの配置にこだわる、文字や数字など記号的なものに興味を示す、興味のあることに高い記憶力を発揮するなど、より特徴的な行動が見られるようになります。3~4歳頃までには自閉スペクトラム症の特徴がはっきりしてくるので、診断が可能となります。
幼児期後半の4~6歳にかけて、ある程度の対人関係やコミュニケーションが可能となる場合があります。しかし、集団活動や3人以上の対人関係において融通が利かない、自分のやり方が通らないときや思っていた予定と異なる状況が生じたときなどにイライラしたり強いストレスを感じたりするといった状態は持続しますので、表面的には改善したように見えても決して“病気が治った”ということではありません。
自閉スペクトラム症の特徴自体は6歳以降の児童期も大きく変わることはありません。しかし、この年代になると学校へ行くようになり環境が変わることで、今まで表に出ていなかった特徴がさまざまな形で現れたり、集団生活の中で過ごしづらさを感じたりするようになることがあります。
自閉スペクトラム症の児童の一部には、感覚が過敏で、通常の児童なら平気な音、光、においなどをつらく感じる場合があります。また、多くの児童が興味をもって楽しく参加できる活動に対してどうしても興味がもてないことがあります。そのような場合、集団活動からはずれて目立つこともありますが、一見おとなしく参加しているように見えて内面では苦痛を感じながらじっと耐えていることもあります。また、口頭のコミュニケーションだけでは情報をうまく取り込めないため、先生の指示を聞き漏らして伝達事項を親に伝えられない、提出物を把握できずに忘れ物が多くなるなどの問題が生じやすくなります。
また、休み時間には子ども同士の関わりが求められるため、周囲の子どもとの距離感がつかめずに孤立したり、逆に過剰に関わってトラブルに発展したりする場合があります。他者に自分の考えや気持ちをうまく伝えることが苦手であるため、困ったことがあっても誰かに相談することができず、どうしたらよいのか分からなくなってしまうことがあります。
学校生活でさまざまな“やりにくさ”を感じることは、時に心身の不調につながることがあります。登校を拒否する、朝起きられない、帰宅後に混乱した様子を見せるなどといった場合は、学校生活で何らかの問題を抱えている可能性があります。また、頭痛や腹痛など身体的な症状が現れたり、チック症状、強迫症状や抑うつ・不安などの精神的な症状が見られたりすることもあります。
自閉スペクトラム症の子どもでは、乳幼児期には発達の違いが主な特性として見られますが、児童期になると学業や日々の生活、周囲との関係がより具体的な課題として見えるようになります。時にはこれらの課題が先にあり、原因を探るなかで背景に自閉スペクトラム症があることに気付く場合もあります。まずは、周囲の大人が自閉スペクトラム症の特性を否定せずに理解し、包括的な連携体制を作ることが大切です。
小学校中学年頃になれば、本人が周囲との違いに気付くようになります。この時期には自分の特性や上手く日々を過ごすための工夫を本人が理解できるように、徐々に教える必要があります。同時に周囲の子どもにも理解を促し、いじめなどのトラブルが起こらないように介入することも必要です。自尊心や自己肯定感を育みながらサポートしていくことは、青年期以降をよりよく過ごすために重要となります。
自閉スペクトラム症にはいくつかの典型的な特徴がありますが、その現れ方や学校での過ごしにくさにつながるポイントには個人差があります。その年齢に期待される標準的な行動ができることを目標とするのではなく、それぞれのユニークな発達を前向きに評価することで、工夫できる点が見えてきます。具体的な対応については、担当医や専門機関とも相談するとよいでしょう。
信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授
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IQ検査の結果
5歳の息子が1歳半検診で指摘され結果、軽度知的障害と診断され、その後自閉スペクトラム症とも診断されました。 療育にも通い、4月から小学生になる事で療育でかかりつけのクリニックでIQの検査を受け結果IQ91でした。 同じ時期に療育手帳更新で、指定された子供センターでIQ検査をした所、IQ79でした。 IQに差がありすぎて混乱しています。 学校や保育園も境界知能か平均かで支援の仕方も変わってくるので、どちらを伝えたら良いのかも分かりません。 このように検査する場所で違った場合はどうすれば良いのでしょうか?
自閉スペクトラム症と自閉症のちがいについて
3歳3ヶ月の娘についてです。 娘ですが、先日発達センターより 『軽度の発達障害で自閉スペクトラム症』と診断されました。 そう診断された主な理由として、 ●言葉の遅れ ●コミュニケーション能力の欠如 の2つが認められるからです。 この自閉スペクトラム症と自閉症というのは別物なのでしょうか。 この診断があった際、私は自閉スペクトラム症という言葉を初めて聞いたのでいまいち理解できずに、先生に『うちの子は自閉症ということなのでしょうか?』と聞いたところ『いえ、自閉症ではありません。』との事でした。 今後、娘が成長するにあたり、自閉スペクトラム症と周りに話す機会があるかと思うので、その辺の違いについてきちんと理解をしたいと思い投稿しました。 (ネットで調べてもいまいち分かりませんでした。私が無知なのもあるかも思うのですが。)
発達障害だと思います。
仕事が長く続きません。仕事が出来ないと思われて、3カ月か半年しか続きません。 発達障害だと思います。
不登校、聴覚過敏
小さい時から、爪かみをし、指の皮膚を噛んで指先がぼろぼろになったりしていました。10歳くらいから、対人関係(大人)で悩むことが多く、学校の先生に対しての対応かしにくく、自分が嫌と思う先生には口も開けないようになったりしていました。嫌なことがあったり、親の私が怒ったりすると自室にこもり、手首をカッターで軽く切るなど自傷行為もありました。この時、小児科から精神科、カウンセラーと話す機会がありましたが、本人は拒否して、親の私だけが通いました。成績はそれなりによく、中学も友達との関係は良好で過ごせました。中学の担任の先生は女性で理解があり優しい穏やかな方だったのでなんとかやり過ごせましたが、公立の高校に入り、生徒会にはいり頑張っていましたが、担任(女性)が嫌過ぎて二学期から学校に行かなくなりました。耳なりや、聴覚過敏を訴えたので耳鼻科に行くと、自閉症ではないかといわれました。 学校での立場は、彼女的には頑張っている自分が当たり前のようにしているので かなり疲れるのだと思います。 目がうつろで暗く落ち込んでいたのですが、学校に無理に行かなくても大丈夫と関わると穏やかに笑顔も見せるようになりました。自閉症スペクトラムかもと考えて様子を見ていくべきでしょうか?
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