発達障害を持っていても、周囲との問題も全く起こらず、個性を活かして楽しく充実した人生を送っていることもあります。このように、発達障害は特徴・個性のひとつとして捉えられる程度で済むことも多く、社会生活に支障がない場合には治療の対象になりません。
発達障害が治療や支援の対象になる場合の多くは、ここから紹介するような「二次的な問題」を引き起こしてしまうときです。これについて、発達障害のオピニオンリーダーであり、この分野の臨床経験では世界的にトップクラスの信州大学診療教授、本田秀夫先生にお話をお聞きしました。
発達障害の方は、その障害と合わない環境に置かれてしまうと、もともとの発達障害に加えて新たに二次的な情緒や行動の問題を起こしてしまうことがあります。このことを「二次的な問題」といいます。
発達障害の方が学校を卒業し、社会人として就職をする状況について考えてみましょう。いまだにコミュニケーション能力に問題を抱えている状態です。はじめての仕事であり、なおかつ自分自身の特性を活かした仕事でないことも多々あります。さらに、自分自身の特性の良き理解者に巡り合えることもなかなかありません。
そうした中で、人間関係においても仕事においても、何度も何度も失敗を繰り返してしまうケースがあります。こうなると、成功体験を積み重ねることがまったくできません。そして、周囲や社会からはさらに否定的な目で見られることになります。すると、どんどん自己評価が低くなり、ストレスが蓄積されていきます。
発達障害が原因となり、仕事を継続することができなくなると、転職を繰り返したり、失職してしまうこともあります。また、不安定な就労状況に陥ってしまうこともあります。つまり、経済的・社会的にも不安定な状況になってしまうのです。
必ずしもこのようなケースばかりではありませんし、発達障害でも社会で成功(時折、大成功)を収められる方もいます。それでも上記の結果、社会不適応や引きこもりといった問題を生じてしまうこともあります。しっかり環境を整え、場合によっては精神科的な介入もしていくことにより、このような状況を何とかして避けていかねばなりません。「大人の発達障害の支援―就労支援機関、就労に必要なスキルについて」では、就労支援について紹介します。
また、必ずしも「二次的な問題」ではないものの、発達障害と同時にみられることの多い精神障害(うつ病や適応障害、不安障害など)を「併存障害」といいます。これは、発達障害の人がストレスなどにさらされた結果、適応障害などの精神障害を合併して引き起こすケースもあれば、特に因果関係がなく引き起こしている場合もあります。逆に、うつへの対応を精神科で行っているうちに発達障害が見つかることもあります。
信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授
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