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発達障害と不登校を支えるために―支援のポイントと小田原俊成先生の思い
発達障害や不登校は、小学校・中学校のみならず、大人として自立を求められる大学においても見受けられる事態であることを『発達障害と保健管理センターの支援課題』で説明してきました。今回は、心に生きづら...
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発達障害と不登校を支えるために―支援のポイントと小田原俊成先生の思い

公開日 2016 年 01 月 19 日 | 更新日 2018 年 04 月 12 日

発達障害と不登校を支えるために―支援のポイントと小田原俊成先生の思い
小田原 俊成 先生

横浜市立大学保健管理センター教授・センター長

小田原 俊成 先生

発達障害や不登校は、小学校・中学校のみならず、大人として自立を求められる大学においても見受けられる事態であることを『発達障害と保健管理センターの支援課題』で説明してきました。今回は、心に生きづらさを抱える学生に対して周囲はどのようにすればいいのか、支援のポイントを横浜市立大学保健管理センター センター長の小田原俊成先生にお話頂きました。

発達障害に対する支援 現状の問題点とは

現在問題となっているのは、発達に偏りがあることを自覚しないまま学生生活を過ごし、卒業間近または大学院へ進んでから、うまく実験ができない、レポートをまとめられない、就職活動ができないなどの問題に直面している学生です。

高学年になってから事例化し、そこから抑うつ状態になったり情緒不安定になると、対応は非常に困難になってきます。退学になってしまうこともあるので、このような学生に早期介入するにはどうしたらいいかが問題になっているのです。

大学によっては発達障害支援センターを設置しているところもありますが、早い時点で本人が自分の特性を自覚して、周囲がその学生の適性を理解し、進路指導を支援できる体制の構築が今後の課題ともいえます。

大人の発達障害を診断することは難しい

「障害」とつくからには、発達の特性に偏りがあって「生きづらさ」を持っている人が支援の対象となります。しかし、生きづらさを自覚できてない学生もたくさんいるため、そこが問題になってくるのです。

大人になってから発達障害を診断するのは難しくなります。基本的に発達障害は、精神疾患のように発症するわけではなく、幼少期から徴候があったはずです。そのため、本当に発達障害を診断するには、小さいころの本人の状態を伺ったり、幼児期の成績を見たり、当時の行動を調べたりといったあらゆる情報を収集していかなければなりません。

子どもの頃に発達障害と診断されていた方の場合、本人もその点を理解したうえで就学するので介入は比較的しやすいです。しかし、大学に入ってから発達障害であると発覚したケースは、本人や家族の自覚の程度によって介入できるかどうかが変わってきます。

ポイントは「できるだけ早く介入すること」

人権尊重や個人の思いなど様々な要素が絡んでくるため、保健管理センター側が無理に個人に対して介入することはできません。そのため、発達に偏りのある学生が無自覚で周囲に助けを求めない場合、センターが介入しきれてないのが実情です。ただし、自殺念慮のある学生はスクリーニングを行っているので、そこから発達の問題が明らかになる方もいます。

「生きづらさ」を抱える学生へのメッセージ 周囲の声に耳を傾けて

困ったらぜひ、所属大学の保健管理センターないし健康管理室を訪問していただきたいと思います。相談することは恥ずべきことでなく、社会で生きるために必要で当たり前のことなのです。普段から、友人や家族、教職員の方々のアドバイスに耳を傾けたり、その方たちのことを考えてみてください。友人のいない方は、そのことだけでも相談に値しますので、歓迎いたします。

横浜市立大学の保健管理センターは2012年度に発足した新しい部署ですが、全学的に一元化した健康管理体制のもと、健診、メンタルヘルス・スクリーニング、労務管理、感染症対策、キャンパス相談、啓発・教育研修などを積極的に推進し、徐々に学生や教職員の方の利用者数も相談件数も増えています。今後は抑うつ症状や希死念慮だけでなく、発達に偏りが疑われる方も早期に相談・支援できるような体制作りを考えていきたいです。

横浜市立大学附属市民総合医療センター・精神医療センター部長を経て、2015年より現職。認知症からリエゾン精神医学、精神科救急など幅広い領域の精神科臨床に取り組み、現在は大学にて学生・教職員の保健管理業務に従事している。その人柄は生きづらさを感じる学生・職員にとって心地よさを感じるほどあたたかく、悩みを抱えた学生・職員が訪れる。

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