横浜市立大学保健管理センターでは、学生に対して様々なメンタルサポートを行っています。キャンパス相談やピアサポートなど、学生が安心して学生生活を送り、勉学に集中して取り組めるような体制が構築されてきているのです。横浜市立大学保健管理センター(以下、センター)センター長の小田原俊成先生に、横浜市立大学の実例を踏まえてお話頂きました。
横浜市立大学では、各キャンパスでキャンパス相談を行っています。医師、保健師、4人の臨床心理士が在籍し、これら専門職の方々が生活全般に関する悩み相談を受け付けています。悩みの種類は様々ですが、就業から健康、生活、家庭、対人関係、発達の問題など幅広い問題に対応しています。
大学入学後は自分の健康は自分で守るという自覚が必要です。したがって、まずはセルフケアについて知ってもらうことが重要だと考えています。セルフケアを実践することで、ストレスへの気づきと対処が可能となります。社会的自立に向けた準備段階ともいえる学生時代は、親の助けに頼らず生きていくことを覚える時期にあたります。
朝起きて夜寝るという、規則正しい生活がなぜ必要かという健康管理面のアドバイスも含め、一人一人の学生に合ったサポートをしていきます。
セルフケアをきちんと行うことができるようになると、横のつながり―つまり家族、友人、担任、指導教官との相談の重要性―の理解につながります。入学時のオリエンテーションでも、学生には相談することの重要性を言い聞かせています。
<セルフケアのポイント>
・健康は、すべての活動の土台
・実はこころの健康が、学生生活充実のポイント
・健康管理(自己管理)は学生自身の務め
・助けてもらう・助けてあげる
・相談ごとは担任か、学務か、保健管理センターか、健康管理室へ
横浜市立大学のある横浜市金沢区では、まだ大規模な災害は発生していませんが、防災マニュアルは存在します。たとえば保険管理課は救助班になっており、災害対策委員会としてそういう問題に対して対応できるように仕組みを設けています。
個人情報に深くかかわることやハラスメントなど人に言えない悩み、それに伴う症状に苦しんでいる学生も少なからずいます。こころの問題や家族との関係性などは非常に繊細な事柄であり、友人にも相談できない、という方が多いようです。そのため、一人で抱え込んでしまい、孤立する学生が少なくありません。そのような学生は、メンタルクリニックに紹介するなどメンタルサポートもしっかりと行っています。
ピアサポートとは相互サポートのことです。なにか専門的なことをするというものではなく、お互いに支えあう、助け合える仲間を作っていこうという取り組みを示しています。
大学に入学し、環境が変わったとき、孤立してしまう学生が一定数います。そのようなときに孤立しないで、仲のいい友達や集団に所属できるよう取り組み、お互いがお互いを元気かどうか、落ち込んでないかと見守ることができる、心の許せる仲間をつくろうということが目的です。
たとえ誰かが孤立していて、その人が苦しんでいる状況だと分かっていたとしても、仲良くなければあまり話したこともない相手に対していきなり電話やメールをすることはできないでしょう。そういう意味で、普段から友人関係は意識していただきたいと思います。仲のいい友だち、ピアサポーターをつくることが、結果的に自分自身を助けることになります。なかなか仲のいい友人をつくれないと感じる方は、いつでもセンターへご相談ください。
横浜市立大学 保健管理センター教授・センター長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。