とうごうしっちょうしょう

統合失調症

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概要

統合失調症は、幻覚や妄想といった精神病症状や意欲・自発性の低下などの機能低下、認知機能低下などを主症状とする精神疾患です。主に思春期から青年期にかけて発症し、男女比は概ね1:1とされていますが、男性のほうが重症化しやすいことが指摘されています。

世界中のさまざまな地域で100人に1人ほどが発症すると考えられており、決してまれな疾患ではありません。

統合失調症の原因は、明らかになっていません。治療では、薬物療法や、認知行動療法などの心理社会療法が行われます。

原因

統合失調症の原因は明らかになっていませんが、遺伝的要因が強く関与することが指摘されています。

しかし、発症リスクを高める強い効果をもった遺伝子は知られていません。

もともと統合失調症になりやすい素因が存在し、胎生期を含む人生早期の環境要因や児童・思春期のストレスなどをきっかけとして発症することと考えられています。

また、統合失調症の治療薬はドーパミン拮抗作用があることから、ドーパミンの機能異常が存在すると考えられます。

症状

統合失調症の症状は、以下の2種類に大別されることが多いです。

  • 陽性症状:幻覚、妄想、自我障害など、患者さんが体験するもの
  • 陰性症状:意欲・自発性の低下、感情の表出の低下など、ある程度客観的に評価できるもの

これらに加えて

  • 解体症状:考えや行動のまとまりがなくなる
  • 病識の障害:自分が病気であることを自覚できない

も重要です。

記憶・学習などの認知機能障害も生じることが多く、就業などに影響を与えます。

陽性症状

幻覚のうち、周囲に誰もいないのに声が聞こえてくる幻聴を体験することが多く、幻聴の内容は、患者さんを批判するような内容であったり、脅すような内容であることが大部分です。

また、被害妄想や関係妄想(自分に関係ないことを関係あるように思う)にとらわれることもあります。妄想の内容はあり得ないような内容であることがあります。

さらに、自分が誰か別の人に操られているような感覚を覚えたり、自分の考えが他人に知れ渡ってしまっていると感じたりすることもあります。

陰性症状

意欲の減退、喜怒哀楽などの生き生きとした感情表現が乏しくなります。友人づきあいをしなくなり、家に引きこもるようになったりします。

検査・診断

統合失調症を正確に診断するような、単一の検査は存在しません。患者さんが訴える妄想や幻覚などの陽性症状や陰性症状を詳細に評価しつつ、診断を行います。

また、統合失調症に類似した症状を呈する他の病気を除外することも大切です。類似する他の病気としては、てんかん、甲状腺機能障害、SLE、抗NMDA受容体抗体脳炎などが挙げられます。覚醒剤乱用も統合失調症に類似した症状を呈します。

これら他疾患との鑑別を目的として、血液検査や尿検査、脳波検査、頭部CTや頭部MRI、髄液検査などが適宜行われることになります。

治療

統合失調症の治療では、薬物療法や心理社会療法などが行われます。統合失調症は慢性的に経過することが多い疾患ですが、これらの治療により症状緩和を図り、通常の社会生活を送ることを目標とします。しかし、実際、正社員として就業できる患者さんは少数にとどまっています。

薬物療法

抗精神病薬を主剤とし、抗不安薬、睡眠薬などを症状に合わせて使用します。

心理社会療法

薬物療法に加えて、認知行動療法や疾病教育などを組込みます。社会生活に戻るために、入院・外来においてレクリエーションやデイケアなどを通して社会復帰訓練(リハビリテーション)を行うこともあります。

統合失調症は慢性的に経過し、症状が再燃することもあります。そのため、状況に応じて治療を継続的に行っていくことが重要です。

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