治療
統合失調症の治療では、薬物療法や心理社会療法などが行われます。これらの治療により症状緩和を図り、通常の社会生活を送ることを目標とします。
薬物療法
抗精神病薬を中心に治療を行い、抗不安薬、睡眠薬などを症状に合わせて使用します。以下では、主な治療薬である抗精神病薬についてお伝えします。
抗精神病薬
抗精神病薬とは統合失調症の治療薬で、幻覚、妄想などの陽性症状や不安・不眠・興奮、あるいは感情表現の低下などの陰性症状を改善する目的で処方されます。
抗精神病薬は患者によって、また症状の強さによって必要となる種類や量が異なるため、試行錯誤を行い、その患者に合ったものを選択することになります。抗精神病薬の種類は、定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬に大別されます。各薬剤ごとに特徴があり、効果と副作用を確認しながら調整します。
抗精神病薬によって症状が改善した後も、再発を予防するために薬物療法を継続します。自己判断で薬の服用をやめてしまうと、数年のうちに80%以上の確率で再発してしまうといわれています。そのため、症状が治まっても勝手に服用をやめたりせずに治療を続けることが大切です。
心理社会療法
病気の対処方法を身につけ、安定した社会生活を送れるようにすることを目標に専門家と話をしたり、リハビリテーションを行ったりする心理社会療法が行われます。
心理社会療法には、心理教育、社会生活技能訓練(SST)、作業療法などがあり、患者の自己理解や他者との関わり方、生活に必要な技能の習得などをめざします。
心理教育
病気や治療について正しい知識を身につけ、難しい状況を乗り切るための対処法などを学ぶ治療法です。
対象となるのは本人、もしくは家族です。病気や治療に対して前向きに考えられるようにすることをめざします。
作業療法
料理やスポーツ、音楽など軽い作業を通じて他者と交流し楽しみや達成感など感情を出しやすくする方法です。コミュニケーションを取る力を身につけることをめざします。
社会生活技能訓練(SST)
ほかの人との関わり方、病気や治療への向き合い方、ストレスに対する対処法などを学ぶ方法です。これによって自信がつき、自分らしい生活を送れるようになることをめざします。
統合失調症は慢性的に経過し、症状が再燃することもあります。そのため、状況に応じた治療を継続的に行っていくことが重要です。
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