症状
統合失調症の症状には陽性症状、陰性症状、認知機能障害があります。症状はさまざまで、実際に現れる症状や時期は一人ひとり異なります。
陽性症状
陽性症状とは、実際に起こっていないものを患者本人のみが体験する幻覚、妄想、思考と自我の障害などの症状のことをいいます。
幻覚
幻覚の症状としては、周囲に誰もいないのに患者を批判したり脅したりするような声が聞こえる、頭の中で複数の人間が会話しているように聞こえるなどの幻聴、存在しないものが見える幻視などがあります。
妄想
妄想とは、現実には起こりえないことを信じ込んでしまう状態のことです。妄想の症状としては、誰かに監視されている、誰かに悪口を言われている、いやがらせを受けているというような被害妄想や、テレビやインターネットに自分のことが流されているなどの関係妄想があります。
思考と自我の障害
そのほかの症状として、思考と自我の障害があります。思考の障害とは、考えにまとまりがなくなることです。考えをまとめることができず、めちゃくちゃな会話をしてしまったり、状況に合わないちぐはぐな行動を起こしたりします。自我の障害では、自分と外の世界との境界線が曖昧になり、自分の考えがほかの人間に支配されていると感じるようになります。
陰性症状
陰性症状には意欲や自発性の低下、あるいは意欲の減退、喜怒哀楽などの生き生きとした感情表現が乏しくなることなどがあります。
友人付き合いをしなくなったり、家に引きこもるようになったりするほか、入浴や着替えをしなくなる、見た目を気にしなくなるといった行動として現れます。
認知機能障害
認知機能障害とは集中力や記憶力が低下し、ものごとをうまく処理できなくなることをいいます。
たとえば、目の前の仕事や勉強に集中できなくなったり、他人の指示どおりにものごとをこなせなくなったりします。統合失調症ではこのような障害が現れ、学業や仕事、人間関係など生活全般に影響が及びます。
医師の方へ
「統合失調症」を登録すると、新着の情報をお知らせします