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あめーばせいかんのうよう

アメーバ性肝膿瘍

概要

肝膿瘍の原因のひとつに赤痢アメーバという寄生虫の原虫があります。赤痢アメーバは主に、赤痢アメーバの嚢子(のうし)(シスト)に汚染された飲食物を経口摂取することで感染を起こします。口から入った嚢子が大腸に達すると大腸粘膜に潰瘍(かいよう)をつくり、粘血便や下痢、腹痛などの症状を起こします。この状態を腸管アメーバ症(アメーバ性腸炎)といいますが、腸管以外にも病変(病気による変化がみられる箇所)が及ぶことがあります。これを腸管外アメーバ症と呼びます。

アメーバ性肝膿瘍とは、多くが腸から侵入した赤痢アメーバが門脈という血管の血流にのって肝臓に運ばれ膿瘍をつくったものであり、腸管外アメーバ症の中でも頻度の高いものです。また、赤痢アメーバによる感染症は、感染症法で5類感染症に指定されています(2019年3月時点)。

原因

肝膿瘍の原因のひとつである赤痢アメーバの嚢子(シスト)に汚染された飲食物を経口摂取することで感染します。

アメーバ性肝膿瘍は、多くは腸から侵入した赤痢アメーバが門脈という血管の血流にのって移動し、肝臓に(うみ)の溜まり(膿瘍)をつくることで発症します。

アメーバ赤痢は発展途上国で多くみられます。先進国においては、男性同性愛者、発展途上国からの帰国者、障害者施設に入所している方などに感染率が高いとされています。

症状

発熱、右季肋部痛(みぎきろくぶつう)(右脇腹の痛み)、肝腫大の3つが代表的な症状とされ、なかでも多く認める症状は発熱です。しかし、実際にはケースごとにさまざまで、症状の軽いものもあれば、なかには無症状で経過する場合もあります。

また、アメーバ性肝膿瘍の約50%では、粘血便や下痢、腹痛などの症状を伴いません。そのため、腸管の症状を認めなることができない場合であっても、アメーバ性肝膿瘍の可能性は十分考えられます。

検査・診断

問診

肝膿瘍による発熱、右脇腹の痛みなどの症状の有無、経過に加えて、腸管アメーバ症の症状である粘血便や下痢、しぶり腹の有無についても確認します。また、海外渡航歴についてもチェックします。

腹部超音波検査・CT検査

膿瘍の存在、また膿瘍の場所について、より詳細に確認します。

肝膿瘍の穿刺(せんし)

右脇腹から針で肝膿瘍を刺して内容物を採取する検査です。内容物の中に赤痢アメーバがいるかどうかを顕微鏡で調べます。検出率は50%前後ですが、アメーバ性肝膿瘍の内容物は無臭でアンチョビペースト状、あるいはチョコレート状と表現されることがあるため、診断にあたっての参考となります。

血液検査 

血液検査で血清アメーバ抗体を調べます。アメ−バ性肝膿瘍での血清アメ−バ抗体の陽性率は95%以上と報告されています。

治療

アメーバ性肝膿瘍の第一選択治療は、抗原虫剤の内服です。抗原虫剤の内服期間は7~10日間とされており、内服中と内服後1週間は禁酒とされています。また、妊婦への投与は避けることとされます。

膿瘍が破裂する危険性がある場合などでは、膿瘍のドレナージ(体外から管を膿瘍に入れて内容物を抜く治療)が必要になることもあります。

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