原因
アルコール中毒の原因はエタノールというアルコールの一種でお酒に含まれる有機物の摂り過ぎです。エタノールはお酒だけでなく食べ物にも含まれていますが、中毒になるほど多量に摂取する機会のほとんどは飲酒です。飲んだお酒に含まれるアルコールは主に小腸から血液中に吸収され、一部は胃からも吸収されます。酸化および消失速度よりも吸収速度のほうが速いためアルコールが血中に蓄積されていき、約30~90分で最高濃度に到達します。
アルコールが中枢神経系のγ-アミノ酪酸(GABA)受容体に直接結合することで神経細胞の活動が鎮静されると考えられています。アルコール濃度によって鎮静の程度は異なりますが、中毒レベルの濃度に達すると呼吸を司る延髄の中枢が鎮静され、意識障害だけでなく呼吸停止という危険な状態に陥ってしまいます。
一方、エタノールは肝臓の細胞に含まれる酵素によって最終的に水と二酸化炭素に分解されますが、その途中段階で発生するアセトアルデヒドという物質は肝臓の細胞にとって有毒であり、持続的にアセトアルデヒドにさらされていることで肝臓がダメージを受けます。最初はアルコール性肝炎という状態となりますが、重症になると肝硬変という状態となり、肝臓の機能はさらに障害されます。
エタノールを長期的に過剰に取り過ぎると、体のなかの代謝酵素が活性化されるようになり、エタノールに対する耐性が生まれます。すると、今まで飲んでいた量では満足できなくなり、さらに多量のお酒を飲みたくなるようになります。こうして、様々な臓器に慢性のアルコール中毒が形成されてしまいます。
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