治療
アルコール中毒の治療は、急性と慢性どちらの状態かで異なります。
急性アルコール中毒
呼吸停止や吐物による窒息を防ぐために、気道の確保と場合によっては気管挿管や人工呼吸による管理が必要です。意識障害があると吐物による窒息の危険があるため、仰向けにはせず、回復体位といって横向けに寝かせることがあります。
また、嘔吐を繰り返すなどして脱水を起こしている場合には、点滴で水分・糖分・ミネラルなどの補充を行うことがあります。なお、点滴をすることによってアルコールの代謝を促進したり、アルコール中毒の症状が早く良くなったりするわけではありません。
アルコール使用障害(慢性のアルコール中毒)
アルコール依存症に対しては、ビタミンB1やグルコースなどの投与や栄養療法を行い、臓器に障害がみられる場合にはそれぞれの臓器に対する治療を行います。アルコールを連日多量に飲酒している方が急にアルコールを摂取するのを辞めると、離脱症状がみられ、手足の震えやけいれん発作のほか、重症の場合はアルコール離脱せん妄といって意識が低下することがあります。重症のアルコール離脱症状は命に関わることもあるため非常に危険な状態です。飲酒をやめると手足が震えるなどの症状がある場合には自己判断でやめるのではなく、医師と相談しながらアルコールをやめる必要があります。
離脱症状がみられなかったとしても、自分の意志だけでアルコールを断つのが難しい場合は、精神科医と連携した精神療法や薬物療法、断酒のためのリハビリテーションなどの治療やサポートが受けられるため、専門機関に相談することも検討しましょう。
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