検査・診断
インスリノーマが疑われるときは次のような検査が行われます。
血液検査
インスリノーマの診断には、血液検査により特に空腹時の血糖値やインスリン値、C-ペプチド値などの測定が必要です。インスリノーマでは低血糖時に血液中のインスリン値やC-ペプチド値が高いことが特徴であり、過剰なインスリンが脂肪の分解を抑制するため遊離脂肪酸なども少なくなります。
また、上述した多発性内分泌腺腫症1型の可能性が考えられる場合は、ほかの膵臓内分泌ホルモンや下垂体ホルモン、血清Ca、P、PTH値などを調べることもあります。
画像検査
腫瘍の存在を確認し、位置や大きさ、転移の有無などを評価するために超音波(特に超音波内視鏡)、造影CT、造影MRIなどによる画像検査が必要です。
選択的動脈内刺激物注入試験
腫瘍のサイズが小さく画像検査で発見できない場合には、膵臓や十二指腸に近い部分を走行する動脈にカテーテル(医療用の細い管)を挿入してインスリン分泌を促す薬剤(カルシウム)を注入し、静脈血中のインスリン値の変化を調べることで腫瘍がどの部分の動脈によって栄養されているかを調べる検査です。比較的侵襲性のある検査ですが画像では見つからないような直径5mm以下の腫瘍の局在診断も可能で、手術でどの範囲を切除するか判断する重要な指標にもなっています。
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