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インタビュー

公開日 : 2017 年 04 月 21 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

膵臓の機能を温存する膵臓縮小手術とは?適応疾患とメリット、全摘出のリスクについて

膵臓は体内で内分泌機能、外分泌機能という2つの重要な役割を担っています。その膵臓を手術ですべて摘出した場合、消化機能障害を起こしたり、糖尿病になりやすくなってしまったりと、様々な問題が発生します。そこで、膵臓の機能を温存するために、腫瘍がある部分だけを切除する膵臓縮小手術という方法が用いられることがあります。

藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院では、残せる臓器は残す、膵臓も残せる膵は可及的に温存するという考えのもとに、膵臓縮小手術を積極的に行っています。今回は消化器外科教授の堀口明彦先生に、一般的な膵臓縮小手術の種類や、縮小手術を行うことでどういったメリットが生まれるかなどを中心にお話をうかがいました。

膵臓の役割―内分泌機能と外分泌機能がある

膵臓のつくり

膵臓はお腹の中で外分泌機能と内分泌機能という2つの重要な役割をつかさどっている臓器です。1つ目の外分泌機能とは、消化液や唾液などの分泌物が作られた臓器から導管という管を通り体に作用する機能のことです。膵臓からはこの外分泌機能で、消化液が膵管を通って十二指腸に分泌されています。

2つ目の内分泌機能とは、それぞれの臓器で作られた分泌物が、導管ではなく血液を通して体に作用する機能のことをいいます。膵臓ではインスリンなどのホルモンを血液中に放出し、血糖値のコントロール(糖をエネルギーに変換する)などを行っています。

このように膵臓は、内分泌機能と外分泌機能の2つが密接に組み合わさりながら、食べたものを消化し、糖をコントロールするという働きをしています。また、膵臓は、どちらか1つの機能が良好になると、つられてもう1つの機能もよくなる仕組みがあります。その理由はまだ解明されていません。

膵臓を全摘出するリスク 消化機能障害や糖尿病を起こしやすくなる

膵臓はインスリンを分泌して血糖をコントロールしたり、消化液を出したりする機能を持っているため、膵臓をすべて摘出してしまった場合は様々な弊害が発生します。

まず、消化液を分泌できなくなるため食べたものがうまく消化・吸収できなくなり、消化機能障害が起こります。また、インスリンを作れないので、糖尿病になりやすくなります。糖尿病予防のために、インスリン注射を毎日打ち、血糖のコントロールを行わなければなりません。

そして、この2つの機能不全が重なると、頻繁に下痢が起こります。この結果、術後の患者さんのQOL(Quality of Life=生活の質)が大幅に低下するリスクもあるのです。

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