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インスリノーマ
インスリノーマとは、血糖値にかかわらずインスリンを分泌する能力を有する、膵臓に発生する腫瘍です。 インスリノーマは、腫瘍の本体を膵臓の一か所にのみ認める良性腫瘍であることが多いですが、まれ...
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インスリノーマいんすりのーま

更新日時: 2017年04月25日【更新履歴
更新履歴
2017年04月25日
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概要

インスリノーマとは、血糖値にかかわらずインスリンを分泌する能力を有する、膵臓に発生する腫瘍です。

インスリノーマは、腫瘍の本体を膵臓の一か所にのみ認める良性腫瘍であることが多いですが、まれに悪性であることもあります。多発する場合には、「多発性内分泌腺腫症」と呼ばれる病気によるものである可能性が高いでしょう。

インスリノーマは無秩序にインスリンを分泌する腫瘍であり、低血糖を引き起こします。このため、インスリノーマが発生すると、低血糖によるめまいや空腹感などが現れ、ときに意識障害やけいれんが起こります。インスリノーマの治療は低血糖の状態を和らげる治療に加えて、腫瘍を摘出する手術が根本治療になりえます。

原因

インスリノーマは、インスリンを分泌するホルモンであるβ細胞が腫瘍性に増殖することによって発症する病気です。多くが膵臓内に単発に発生する良性腫瘍ですが、まれに多発したり、悪性腫瘍としての性格を有したりすることもあります。多発性内分泌腺腫症と呼ばれる病気の一症状である場合には、膵臓内に多発性に腫瘍を認めることが多いです。

症状

インスリノーマでは、主に低血糖症状に関連したものが現れます。特に、夜間就寝後などの空腹時に低血糖症状が生じます。低血糖になると、眼のかすみ、発汗、脱力、震え、動悸(どうき)、異常行動などを認めるようになります。物忘れ症状が現れたり、けいれんを起こしたりすることもあり、インスリノーマと気付かれずに認知症、てんかん(発作的にけいれんなどが現れる病気)など他の病気と間違われることもあります。

インスリノーマの症状は空腹時(すなわち低血糖時)に症状が現れ、食事を摂取することで症状の改善をみます。インスリノーマの診断を受ける前であっても空腹時に症状が現れることを患者さんが自覚しており、防衛的に頻繁に食べ物を摂取することによって、体重増加につながることもあります。

なぜ低血糖症状が起こるの?

インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンの一つであり、血糖をコントロールするのに重要な役割を果たしています。血糖値が高い場合においてのみインスリンは分泌されるように調整されており、血糖値が低くなるとインスリンの分泌は抑制されます。 インスリノーマでは、血糖値を下げる作用のあるインスリンが、無秩序に分泌され続けることになります。したがって、本来であれば分泌抑制がされるべき、低い血糖値であってもインスリンが過剰に分泌される状況に陥ることがあります。これにより、さらに血糖値が低下し続け、低血糖症状が引き起こされることになります。

検査・診断

インスリノーマの診断では、インスリンが血糖値にかかわらず過剰に分泌されていることと、腫瘍の本体を確認する必要があります。

インスリノーマでは、絶食後のインスリンと血糖値を測定し両者の比率を計算する「Fajans指数」が診断に使用されます。また、C-ペプチド分泌抑制試験、72時間絶食試験と呼ばれる方法がとられることもあります。

腫瘍のある部位を確認するためには、選択的動脈内カルシウム注入試験や内視鏡的超音波断層検査法といった検査が重要です。選択的動脈内カルシウム注入試験は膵臓を栄養する(膵臓に酸素などを届ける)さまざまな動脈からインスリン分泌を促す物質を注入し、刺激物質に反応してインスリン分泌が増加しているかどうかを確認する検査になります。

内視鏡的超音波断層検査法は内視鏡を用い、消化管を通して膵臓を観察する検査ですが、より小さい病変であっても腫瘍を確認することが可能です。これらの検査を行うことで、腹部エコーやCTでは発見できない小さなインスリノーマであっても検出することが可能となります。

治療

インスリノーマは単発性の良性腫瘍であることが多く、手術による腫瘍摘出術が基本になります。手術に際しても、術後の患者さんのQOL(生活の質)を担保するために、病巣のみを切除し、膵臓の重要な機能をできる限り残す「膵臓縮小手術」を行います。

膵臓の機能を温存するとインスリンの正常な分泌機能を妨げないため、糖尿病になりにくくなります。また、消化機能障害も起こさないため、栄養不良も防ぐことができます。頻繁(ひんぱん)に下痢を繰り返すこともないため、食事がしっかりととれるようになります。これらの治療は患者さんのQOL(生活の質)を保つことにつながるでしょう。

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