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膵臓がんと膵嚢胞性腫瘍

インタビュー

最終更新

2017/05/08

2017 年 05 月 08 日
更新しました
2015 年 11 月 17 日
掲載しました
膵臓がんと膵嚢胞性腫瘍
松井 淳一 先生

東京歯科大学市川総合病院 副院長・外科学主任教授、慶應義塾大学医学部外科学 客員教授

松井 淳一 先生

膵臓がん(=膵がん)は早期発見が難しく、治りにくいがんとして知られています。そもそも膵臓とは私たちのからだの中で、どんな役割を担う臓器なのでしょうか。膵臓とはどんな臓器なのかについて、加えて膵臓にできるがんの種類、特徴などについて、膵・胆道領域における外科手術のトップランナーである東京歯科大学市川総合病院副院長の松井淳一先生にお話をうかがいました。

膵臓の構造と働き

膵臓(すいぞう)は、胃の後ろに横たわっている長さ15センチ、重さ60~100gほどの臓器で、十二指腸に取り巻かれている膵頭部から左に向かって伸びて膵尾部は脾臓(ひぞう)に達しています。膵液(すいえき)という強力な消化液を分泌する外分泌機能と、インスリンなどのホルモンを分泌する内分泌機能を持っています。

膵液は、タンパク質、脂肪、炭水化物(糖質)を消化する酵素を含んでいて、一日に約800-1000mlも作られて、膵管を通ってファーター乳頭から十二指腸内へ送られます。また、膵臓内に散在しているランゲルハンス島の中のβ細胞からはインスリンが、α細胞からはグルカゴンが分泌されます。インスリンは、血糖値を低下させる作用を持ち、グルカゴンはインスリンと対立する作用を持ち血糖値を上昇させます。血糖値を上昇させる作用を持つホルモンはその他にもありますが、血糖値を低下させられるホルモンはインスリンだけです。グルカゴンなどの血糖上昇させるホルモンとインスリンの働きによって血糖値が一定に調節されます。

膵臓の構造

膵臓がんとは

高齢の男性に多いがんで、毎年3万人以上が亡くなる

膵臓がんは50~70歳、特に高齢の男性に多いがんです。わが国では膵臓がんの死亡数は肺がん、胃がん、大腸がんに次いで第4位で、毎年3万人以上が亡くなっています。膵臓がんにはいくつかの種類がありますが、前述の外分泌と内分泌に分けると、外分泌系のがんが95%とほとんどを占めていて、内分泌系のがんの割合は非常に少ないです。外分泌系のがんの中でも、膵液が流れる膵管の上皮から発生する浸潤(しんじゅん)性膵管がんが最も多く、全体の85%以上にのぼります。