S414x320 3c267b57 1372 4e65 99ce d4cdd7bf3826

インタビュー

公開日 : 2016 年 02 月 01 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

大腸がん手術の領域では、手術手技の進歩と最新テクノロジーの融合によって、がんの根治性と機能の温存を両立させる難易度の高い手術が行なわれるようになってきました。腹腔鏡下手術や3D画像による術前シミュレーションの可能性、そして幅広い選択肢の中から治療法を選ぶ際に大切なことなどについて、大腸がん腹腔鏡手術の第一人者である産業医科大学第一外科教授の平田敬治先生にお話をうかがいました。

腹腔鏡手術の教育的側面

一般的には開腹手術より腹腔鏡手術のほうがより難しいというイメージがありますが、少なくとも医師の教育的側面においては、むしろ腹腔鏡手術が有利な点は少なくありません。

たとえば、手術のようすをモニターに大写しで見ることができ、しかも多くの人が同時にそれを見ることができます。このことは経験の少ない医師が技術を学ぶ上では非常に大きな利点です。最近では腹腔内の拡大映像と術者の手元の映像を同時に映し出すことも可能になっています(図3)。

図3:特殊な骨盤内腹腔鏡手術時の
術者操作風景と腹腔内モニター画像

従来から手術の現場は密室性が高く、特に開腹手術では目視で確認できるものがすべてでした。写真や動画を撮影しようにも、骨盤内の深いところにある病巣は非常に見づらく、なかなか手が届きにくいことも多かったのです。そのため、限られた数名が執刀医の手元を間近で見て学ぶことが中心となっていました。

その点、腹腔鏡手術であれば、明瞭な拡大視野の鮮明画像で記録・共有することができ、その教育的効果は非常に高いものがあります。また最近では、映画館などで特殊なメガネをかけて3D画像をみることがあるかと思いますが、腹腔鏡の画像も3Dで見られるようになってきており、より精密で安全な手術が可能となってきています(図4)。

図4:3Dモニターを使用した腹腔鏡手術風景
(3D用のメガネをかけて手術をしている)

3D画像による術前シミュレーション

大腸がんの検診と検査」でご説明したCTコロノグラフィーは、炭酸ガスで大腸を膨らませてCT撮影(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)を行う方法で、バーチャルコロノグラフィーともいいます。この技術によって、腫瘍の位置やどこにどんな血管が走っているかをあらかじめ立体的に把握することができます。

安全かつ迅速に手術をすすめるためのナビゲーションとしてはもちろん、手術チーム内でイメージを共有し、手術手技を定型化していくためにも大いに役立つ技術です。

図5:CTコロノグラフィーによる手術シミュレーション

大腸がんのページへ

関連記事