![国立国際医療研究センター病院の取り組みや治療に対する思い](http://carbon-assets.medicalnote.jp/uploads/content/cover/9/9932/s397x212_7d5cdcea-a28e-4fa0-9e01-93e23305613a.jpg)
胆嚢がんは手遅れになると命にかかわる病気ですが、早期のうちに発見できれば手術によってほぼ完治することができます。また、がんが小さいうちに手術することができれば、患者さんの身体の負担が少なく回復も早いので、短期間の入院で日常生活に戻ることができます。
その早期発見の鍵は、人間ドックでもおなじみの超音波検査(エコー)でした。皆さんも受けたことがあるのではないでしょうか。
外科医としてだけでなく、超音波検査のエキスパートとしても長年胆道がんに関わってこられた山王病院 一般・消化器外科の渡邊五朗先生に、早期発見のポイントをお聞きしました。
早期発見が重要である反面、症状が出ないために気づきにくい―この点で不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、日本では症状のない早期のうちに胆嚢がんを発見できるケースがかなり多いのです。それはなぜでしょうか。
大きな理由として、人間ドックや定期健康診断などで超音波検査(エコー)が普及していることが挙げられます。検査可能な施設が多数存在すること、そして定期的な検査で症状がないうちに発見することができるという点で非常に有効な検査であるといえます。
超音波検査は超音波の反射を利用して対象物を画像化する仕組みになっています。腹部エコーの場合であれば、プローブ(探触子)と呼ばれる器具でお腹の表面をなぞっていくだけで内臓の状態をくわしく調べることができます。検査で使われる超音波は人体に無害で、痛みもなく安全な検査です。
人間ドックなどで行われる検診では、超音波検査を受けた人の5、6人にひとりの割合で胆嚢ポリープが見つかっています。このポリープの大きさや形状の変化に注意を払いながら定期的に経過観察を続けることで、がんが疑われる場合にも適切な治療を受けることができます。
また、胆石であれ腫瘍であれ、胆管が詰まって胆汁の流れが悪くなっていれば超音波検査で胆管が拡張している様子を容易にとらえることができます。
しかし残念なことに、検診の結果、再検査や定期的な経過観察が必要とされた方たちのなかで、検査を受けずにそれっきりになってしまう方がかなり多いという現実があります。
仕事の忙しさや悪い結果が出ることへの不安など、さまざまな理由で足が遠のいてしまっているのかもしれません。
超音波検査は日常的な検診のなかでも受ける機会の多い検査ですので、ぜひ積極的に検査を受けていただき、要再検査の結果が出た場合は先延ばしせず医療機関を受診することを強くおすすめします。
国際医療福祉大学 教授、東京大学 医学部肝胆膵・移植外科 非常勤講師
国際医療福祉大学 教授、東京大学 医学部肝胆膵・移植外科 非常勤講師
日本外科学会 外科専門医・指導医日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器外科指導医・消化器がん外科治療認定医日本超音波医学会 超音波専門医・超音波指導医日本肝臓学会 肝臓専門医日本消化器病学会 消化器病専門医日本胆道学会 認定指導医日本肝胆膵外科学会 肝胆膵外科高度技能専門医
東京大学医学部、虎の門病院副院長を経て国際医療福祉大学教授を務める。消化器外科、胆膵を専門とし、超音波検査を主とした画像診断も専門とする。高度な技術が必要とされる胆膵領域において、へその傷だけで手術をする方法を独自に開発。診療、手術術式ともに、患者さんにやさしいことをモットーとする。
渡邊 五朗 先生の所属医療機関
関連の医療相談が11件あります
胆嚢がんについて
数年前人間ドッグへ行った際に超音波の検査で胆嚢にポリープがあるといわれました。 その後病院の受診をし、様子をみていたのですが、ポリープが大きくなってきているためがんのだろうとのことで手術を勧められました。(転移はしていないとのことでした) 先生からは胆嚢をとるという説明をうけましたが、胆嚢をとることで治るのですか?体への影響はないのでしょうか? 症状はないのですが、胆嚢がんは症状が出てこないものなのでしょうか? 先生へ確認し忘れたのでここで教えていただければと思います。
締め付けられるような痛み呼吸がしにくい。
石もなく繰り返す腹痛発作の為、胆道ジスキネジアの疑いと診断後胆嚢摘出術をしてから発作はなくなり、違和感は消えずでしたが仕事まで復帰しました。ですが術後8ヶ月、先週からまた似た痛みと、息がしにくく、右胸右背中、心窩部、痛すぎて… 病院もそもそも機能的な問題と軽くながされて、画像に悪いものがうつらないから適当に扱われて、たまりません…… 痛みから解放してほしいです。
腹部エコーで胆のうに所見
40歳の時に初めて腹部エコーの検査をしたところ、胆のうに胆石や胆泥、胆のうポリープがあると言われました。 その後は要経過観察で、去年は検査をしなかったので先日同じ腹部エコーの検査を別の病院でやってもらいました。 その結果、胆のう結石(非充満型)、胆のうスラッジ という内容でした。 40歳のときに言われたのと同じく今回も要経過観察となったわけですが、 胆のう結石とはつまり、胆石のことなのでしょうか? また、非充満型とはどういう意味なのでしょうか? 今後も検査は定期的にやろうと思っていますが、なんとなく右の脇腹あたりが日頃から痛むような気がするのですが 健康診断ではなく一度、消化器内科を受診したほうがよいのでしょうか? おそらく、同じ検査をやると思うのですが・・・ 症状があって病院に行く方が なにかしらの治療法を提案して頂けるのでしょうか・・・? また、この結石がどこかに詰まると激痛と聞いていますが、それは尿管結石とはまた別のものなのでしょうか? わかる範囲で結構です。 よろしくお願いします。
右脇腹、右側の背中、左脇腹の痛み
今年の1月に人間ドック受診後をし、胆嚢がん疑いで要精密検査となりました。 その後定期的にエコー検査をしており、先生からはおそらく大丈夫だと思うと言われていました。 しかし、6月ごろの検査後、数週間後から右脇腹に痛みが出てきたため、再度病院を受診しました。その際に腹部CTをしましたが特に異常はないとのことでした。 今月の6日にエコー検査をしたところ、胆石と9ミリほどのポリープがあるとのことでした。 先生がおっしゃるには胆石による痛みかもしれないということでしたが、最近左脇腹にも痛みが出てきており、胆嚢がんと膵臓がんではと心配しております。 画像などはなく分からないことが多いと思いますが、痛みの原因として考えられる病気はどのようなものがあるのでしょうか。
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