胆嚢がんが疑われる場合、治療にはどのような選択肢があるのでしょうか。独自に開発した術式でこれまで数多くの手術を手がけてこられた山王病院 一般・消化器外科の渡邊五朗先生に、胆嚢がん治療の実際についてお聞きしました。
胆嚢がんは、抗がん剤による化学療法や放射線療法によって完治することはありません。手術で切除できるものについては、まず手術を行うことが一番です。しかし、ひと口に胆嚢がんと言ってもその形態や進行の度合いはさまざまですので、実際に手術で切除できる割合は60〜70%です。
無症状のうちに超音波検査(エコー)で胆嚢ポリープが見つかった場合は、関連記事「胆嚢がんの検査」でお示ししたように、一定の指針に基づいて経過観察を行います。その結果以下のような状態があれば医師は手術をすべきであると判断します。
8mm以上で、CT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)やEUS(Endoscopic Ultrasonography:超音波内視鏡)などエコー以外の検査方法も併用した精査の結果、コレステロールポリープではないことが疑われる
経過観察の間に大きさや形状に明らかな変化がみられる
ポリープが胆嚢の壁の表面だけにできていることが確実視される場合は、腹腔鏡下胆嚢摘出術が可能です。へそのくぼんでいる部分を小さく切開するだけですので、患者さんの負担がもっとも少ない方法です。回復も早いため、術後2、3日で退院することができます。
がんが進行して胆嚢の壁の深いところまで広がってしまった場合は、開腹手術で胆嚢そのものを摘出する必要があります。また胆嚢が接している肝臓や胆管、そしてリンパ節への転移の可能性があればリンパ節も摘出します(リンパ節郭清術)。
胆嚢の役割は胆汁を一時的に貯めておくことですので、胆嚢自体を切除したとしても胆管を通して胆汁が送り届けられれば支障はありません。術後は一時的にお腹を下しやすくなることがありますが、すぐに身体が適応して通常の生活が送れるようになります。
肝臓はとても大きい臓器ですので、一部を切除しても機能を大きく損なう心配はありません。ただし、胆管を切除した場合には、腸の一部などを使って胆汁の通り道を確保する必要があります。
国際医療福祉大学 教授、東京大学 医学部肝胆膵・移植外科 非常勤講師
国際医療福祉大学 教授、東京大学 医学部肝胆膵・移植外科 非常勤講師
日本外科学会 外科専門医・指導医日本消化器外科学会 消化器外科専門医・消化器外科指導医・消化器がん外科治療認定医日本超音波医学会 超音波専門医・超音波指導医日本肝臓学会 肝臓専門医日本消化器病学会 消化器病専門医日本胆道学会 認定指導医日本肝胆膵外科学会 肝胆膵外科高度技能専門医
東京大学医学部、虎の門病院副院長を経て国際医療福祉大学教授を務める。消化器外科、胆膵を専門とし、超音波検査を主とした画像診断も専門とする。高度な技術が必要とされる胆膵領域において、へその傷だけで手術をする方法を独自に開発。診療、手術術式ともに、患者さんにやさしいことをモットーとする。
渡邊 五朗 先生の所属医療機関
関連の医療相談が11件あります
胆嚢がんについて
数年前人間ドッグへ行った際に超音波の検査で胆嚢にポリープがあるといわれました。 その後病院の受診をし、様子をみていたのですが、ポリープが大きくなってきているためがんのだろうとのことで手術を勧められました。(転移はしていないとのことでした) 先生からは胆嚢をとるという説明をうけましたが、胆嚢をとることで治るのですか?体への影響はないのでしょうか? 症状はないのですが、胆嚢がんは症状が出てこないものなのでしょうか? 先生へ確認し忘れたのでここで教えていただければと思います。
肝門部胆管がんステージ4の寛解に向けた今後の治療方法について
2024年4月の血液検査でガンマーGTが350を超えていて、ALPも250くらい、主治医からは肝臓でしょう、飲みすぎ等の指摘受けましたが、念のために5月上旬に再度検査受けて、連絡なかったので安心していたら腹部膨張感を感じたのが5月中旬、尿がすこしずつ黄色になったのが5月25日くらい、5月31日黄疸症状がありCT検査より胆管がんの疑いありと診断され、大分別府(自宅のある)の大学病院で再検査、6月3日より入院検査、胆管がんステージ4の確定診断、それからステント ERCPの治療、膵炎や薬物アレルギー、胆管炎をおこしながらも、6月17日より イミフィンジ(免疫阻害チェックポイント剤)とランダ、ジェムザールの抗がん剤の治療開始、当初は副作用、脱毛、口内炎、便秘等あったがクールがすすむにつれて改善、白血球(好中球)減少はあるものの、6クールまで進捗している、8月22日の造影CTで当初3センチほどの腫瘍は2.5センチ、10月18日の造影CTでは更に腫瘍が小さくなり2センチ、リンパ転移も縮小、播種なしの状態、身体もすごく調子が良い状態です、8クールまでは今のままの治療で、そこからはイミフィンジだけで経過観察していくとの事です、根治、寛解に向けて他の治療方法はないでしょうか、例えば重粒子や陽子線等 部分寛解まできているので完全寛解を目指していきたいと思います
締め付けられるような痛み呼吸がしにくい。
石もなく繰り返す腹痛発作の為、胆道ジスキネジアの疑いと診断後胆嚢摘出術をしてから発作はなくなり、違和感は消えずでしたが仕事まで復帰しました。ですが術後8ヶ月、先週からまた似た痛みと、息がしにくく、右胸右背中、心窩部、痛すぎて… 病院もそもそも機能的な問題と軽くながされて、画像に悪いものがうつらないから適当に扱われて、たまりません…… 痛みから解放してほしいです。
腹部エコーで胆のうに所見
40歳の時に初めて腹部エコーの検査をしたところ、胆のうに胆石や胆泥、胆のうポリープがあると言われました。 その後は要経過観察で、去年は検査をしなかったので先日同じ腹部エコーの検査を別の病院でやってもらいました。 その結果、胆のう結石(非充満型)、胆のうスラッジ という内容でした。 40歳のときに言われたのと同じく今回も要経過観察となったわけですが、 胆のう結石とはつまり、胆石のことなのでしょうか? また、非充満型とはどういう意味なのでしょうか? 今後も検査は定期的にやろうと思っていますが、なんとなく右の脇腹あたりが日頃から痛むような気がするのですが 健康診断ではなく一度、消化器内科を受診したほうがよいのでしょうか? おそらく、同じ検査をやると思うのですが・・・ 症状があって病院に行く方が なにかしらの治療法を提案して頂けるのでしょうか・・・? また、この結石がどこかに詰まると激痛と聞いていますが、それは尿管結石とはまた別のものなのでしょうか? わかる範囲で結構です。 よろしくお願いします。
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