日本において増加傾向にある大腸がんですが、手術をしてがん腫瘍を取り切れれば、治癒の可能性が高まるがんともいえます。不安ばかりを抱えずに、正しい知識を持って、しっかりと向き合って治療することが重要です。
今回は大腸がんの治療方法と手術後の生活について解説します。
大腸がんは、肝臓や肺などに転移のある進行したがんであっても、検査で指摘された病変を完全に取り除く手術を行うことで、治癒の可能性が高まるといわれています。
受診時にがんが広がっていて手術で対応できない場合でも、まずは抗がん剤治療や、抗がん剤治療と放射線治療を併用することで、がんを小さくしたり、広がりを抑えたりする術前治療を行うケースが出てきました。この術前治療を行うことで、手術ができる場合もあります。
腹腔鏡下手術は傷が小さく、痛みも少なく、回復も早いといわれます。大腸がんの手術というと、お腹にメスを入れる開腹手術をイメージされる方が多いかもしれません。しかし、より早く大腸がんへの腹腔鏡下手術が導入された欧米では、進行がんに対しての長期成績が従来の開腹手術に劣らないことが報告されています。
また、2018年4月より、直腸がんに対する手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ (da Vinci Surgical System) 」が保険適用されました。
がんは腫瘍だけを取り除けばいいわけではありません。がんが周囲にも広がっているため、ある程度広く切除する必要があります。そのため、がんが肛門の近くにできてしまった場合には、括約筋や肛門を含めて切除しなくてはいけない場合があります。その場合には、排便を行うために新たな肛門をお腹に作ることになります。これが人工肛門(ストマ)です。
大腸がんの再発率は、ステージによって異なります。ステージIは約6%、ステージIIは約13%、ステージIIIは約30%で再発が起こります。
また、大腸がんの中でも直腸がんの場合、それ以外のがんよりも若干再発率が高くなります。
再発の約80%は手術後3年以内に、95%は手術後5年以内に起こるといわれています。
再発の95%が手術後5年以内に起こることから、5年間の定期的検査が目安となります。日本の大腸癌研究会が定期的検査の方法の指針を出しており、それにしたがって行われます。
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大腸がんの腹腔鏡手術が主な専門。そのほか、大腸がんの治療全般も専門。大腸がんの手術では低侵襲で安全な手術を目指し、合併症発生率も低い。ICG蛍光法を用いた血流評価やリンパ流評価によるオーダーメイドの手術療法の開発なども行っている。直腸がんついては、肛門温存手術の実績も多数。
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