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インタビュー

公開日 : 2017 年 05 月 17 日
更新日 : 2017 年 05 月 17 日

ステージや転移の有無によって異なる大腸がんの生存率。再発予防の方法とは?

横須賀市立うわまち病院 第二外科部長
菅沼 利行先生

記事1の『腹痛や下痢・便秘を繰り返す場合、大腸がんの初期症状の可能性も?』では、大腸がんの症状や検診方法を中心にご説明しました。今回は、大腸がんの進行分類の基準と、それに伴う5年生存率の変化、再発予防治療を中心に、引き続き横須賀市立うわまち病院第二外科部長の菅沼利行先生にお話しをうかがいました。

大腸がんの進行度は、TNM分類とステージで測られる

大腸がんの進行度は、TNM分類という分類基準と、ステージ0~Ⅳで判断しています。

TNM分類

TNM分類とは、T=壁深達度(腫瘍の大きさ)、N=リンパ節転移、M=遠隔転移(他の臓器などにどのくらい転移しているか)の大きく3つに分けられ、それぞれの進行度に伴い、より詳しく分類されています。国内では、大腸癌取り扱い規約第8版で海外で使用されているTNM分類もあり、これは国内と若干の差異があります。うわまち病院では、両方の整合性をとるように、2つを照らし合わせながらがんの進行度を分類しています。

大腸がんのステージ

国内の大腸がんのステージは、上図のように分かれています。図の右側に行くにつれ、進行度が高くなります。ステージもTNM分類同様に海外のものとは若干の違いがあります。

ステージ分類別の5年後生存率

カレンダー

ステージ0からステージⅣまでの5年生存率(5年後に患者さんが生存している確率)はおおよそ以下の通りです。

  • ステージ0 99%
  • ステージⅠ 94%
  • ステージⅡ 84%
  • ステージⅢa 77%
  • ステージⅢb 60%
  • ステージⅣ 18%

このように、ステージが高くなるにつれ、5年生存率は低くなります。特にステージⅢbとステージⅣでは、5年生存率が大きく変化しています。これはステージⅢbまでが局所のがんで、手術等の治療を行える範囲の限界であるためです。ステージⅣに進行すると、がんがリンパや血液の流れに乗って全身の臓器に転移している状態となります。

局所から全身病へと進んでしまった状態であり、体内からがんを消し去ることは困難な状態です。場合により原発部位のみ切除したり,あるいは肝転移,肺転移などの一部で手術が行われています。

多くは抗がん剤による治療が中心になりますが,抗がん剤治療は延命は可能ですが、治す、治癒するのはなかなか難しくなります。また骨に転移した場合などは痛みが激しいので放射線治療を行ったりします。このような違いから、5年後生存率が大幅に変化しているのです。近年は研究が進み、使用できる抗がん剤の薬の種類も増加してきています。

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横須賀市立うわまち病院 第二外科部長

菅沼 利行先生

外科腫瘍学と急性腹症をはじめとする腹部救急を2本柱に地域医療の最前線にて外科診療を展開している。消化器癌を診断,治療,化学療法,緩和医療,また放射線治療との連携など,消化器癌を中心に地域医療の中でのがん診療に包括的に取り組んでいる。また,若手外科医の育成にも情熱を注いでおり,外科専門医,消化器外科専門医,消化器病専門医などを輩出している。

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