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肝臓がんの治療-肝臓がんの性格に合わせた治療の重要性
肝臓は私たちのからだの中でもっとも大きな臓器であり、きわめて重要な役割を果たしています。肝臓にできるがんは、他の消化器がんとどのような違いがあるのでしょうか。肝臓がんの基本的な性格とその治療に対...
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肝臓がんの治療-肝臓がんの性格に合わせた治療の重要性

公開日 2015 年 12 月 06 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

肝臓がんの治療-肝臓がんの性格に合わせた治療の重要性
板野 理 先生

国際医療福祉大学 教授

板野 理 先生

肝臓は私たちのからだの中でもっとも大きな臓器であり、きわめて重要な役割を果たしています。肝臓にできるがんは、他の消化器がんとどのような違いがあるのでしょうか。肝臓がんの基本的な性格とその治療に対する考え方について、慶應義塾大学医学部外科学教室(一般・消化器) 専任講師の板野理先生にお話をうかがいました。

肝臓がんの性質と治療に対する考え方

肝臓以外の他の臓器でも、それぞれにリスクファクター(危険因子)というものがあります。どんながんでも共通するものは年齢です。高齢になればあらゆるがんの発症リスクは高くなります。また、食道がんの場合はお酒がリスクファクターですし、肥満は大腸がんや前立腺がん、乳がんなど欧米でメインになっているがんのリスクファクターです。肝臓の場合は、特に日本では肝臓がんの成因がはっきりしています。肝炎ウイルスからの肝障害、そしてアルコールからの肝障害によって起こるものがほとんどです。とはいえ、最近では高齢化社会を反映して、元になる背景が何もなく肝機能が正常だった人でも、肝臓にがんができるようになりました。

多くのがんではステージ(進行の度合い)が高ければ転移による再発のリスクも高くなります。肝臓がんもその例外ではありません。しかし、肝臓がんの場合はそうではない再発があります。他のがんの場合には、ステージIなど早期のものについてはあまり考えなくてもいいのですが、肝臓がんの場合には肝臓の基本の状態が悪ければ、その場にあるがんがステージIであっても将来再発するおそれがあります。新しいがんができる、発がんという形で再発してしまうのです。治療する場合にも、このことを考慮した上で治療にあたる必要があります。

また、肝臓は全部を摘出することができない臓器ですので、必ずしも「がんを全部取ればいい」というわけにはいきません。取りたくても取れない場合があります。

  • 肝臓をどれだけ残すか
  • (手術によるダメージを考慮して)肝機能・予備能がどれくらいあるのか(予備能=肝臓は正常な人で機能がもともと生きていくのに必要な量の3倍程度あります。)
  • がん切除の根治性

これらのバランスで治療方針を決定することになります。

肝臓がんの種類

肝臓がんは肝臓そのものから発生する原発性肝がんと、他の臓器から転移してくる転移性肝がんの2種類に大きく分かれます。原発性肝がんのうち、肝細胞がんが全体の9割、肝内胆管がんが5%、残りの5%はさまざまなものがあります。転移性肝がんはまったく別物として取り扱われますので、分けて考える必要があります。

肝内胆管がんは腺がんという種類になります。よく効く抗がん剤もありますし、性格的には転移性肝がんに近い部分があります。ある意味消化器がんの転移に似ているとも言えます。肝細胞がんはこれらのがんとは腫瘍の性質自体が異なるため、有効な治療法もまったく違ってきます。

転移性肝がんについては、肝臓に転移するがんの多くは大腸がんですが、抗がん剤を使う場合は大腸がんに効く抗がん剤を使いますし、原発性肝がんとしての治療は行いません。他の臓器から転移してきたがんは、その全てを取ってしまえば、同じ転移性肝がんがまた肝臓から出てくることはありません。一般の方や患者さんには「肝臓にできたがん=肝臓がん」という認識があり、この区別がついていない方が多いようです。

慶應義塾大学医学部卒業後、永寿総合病院外科 部長 内視鏡手術センター長、慶應義塾大学病院一般・消化器外科 専任講師を経て、2017年4月からは成田に開学する国際医療福祉大学医学部 消化器外科の主任教授を務める。應義塾大学病院では肝胆膵・移植グループのチーフとして診療に携わるとともに、同大学医学部内視鏡手術トレーニングセンターのディレクターとして、内視鏡手術のエキスパート育成に尽力してきた。今後は同病院の特任准教授として内視鏡手術トレーニングのプログラムに関わりつつ、国際医療福祉大学の特色を生かし同トレーニングプログラムの海外展開も視野にいれている。

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