大腸がんの治療には内視鏡治療・手術治療・抗がん剤による化学療法・放射線治療などがあります。それぞれの治療法について、産業医科大学第一外科教授の平田敬治先生にお話をうかがいました。
大腸がんのステージ(病期)ごとの治療方針については、「大腸癌治療ガイドライン」に示されています。
0期(大腸の粘膜に限局する炎症や腫瘍 (しゅよう) などの病的変化が、狭い範囲内に限られていること)がん)もしくはI期(粘膜の下の層まで浸潤するがん)の中の早い段階であれば、内視鏡を使って病巣を取り除く低侵襲な治療が可能です。
I期でもがんの浸潤が進んだものや、II期(大腸の壁の深い層まで浸潤するがん)やIII期(リンパ節に転移しているがん)に相当するがんは手術による外科治療が有効です。IV期(他の臓器に転移しているがん)の場合は切除可能な場合とそうでない場合があります。
抗がん剤による化学療法の目的は大きく以下の3つに分かれます。
近年、大腸がんに有効な抗がん剤が次々と開発され、その種類が増えています。術前に化学療法を併用するケースも増え、治療の選択肢が広がっています。術後の化学療法においては、患者さんの状態に合わせてより副作用の少ないものを選択し、その効果を評価しながら副作用を軽減する治療をあわせて行います。
IV期のがんの場合、術後に化学療法と併用して放射線治療を行なう場合があります。また、切除不能がんに対する対症療法として放射線治療を行なうこともあります。最近では手術の根治性を高めることを目的として、術前に化学療法と放射線治療を組み合わせた化学放射線療法を行なうことも多くなっています。
大腸の血流は肝臓に戻って肺に至るという流れがあるため、大腸がんは肝臓・肺・脳など命にかかわる重要な臓器に転移することが多いという傾向があります。大腸のがん(原発巣)から離れた臓器への転移(遠隔転移巣)がある場合の治療方針は「大腸癌治療ガイドライン」に示されており、患者さんの全身状態などを考慮の上、治療方法を決定します。
(大腸癌治療ガイドライン2014年版より抜粋)
産業医科大学 医学部第一外科学 教授 、産業医科大学病院 消化器・内分泌外科 診療科長
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