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インタビュー

大腸がんの検診と検査

大腸がんの検診と検査
平田 敬治 先生

産業医科大学 医学部第一外科学 教授 、産業医科大学病院 消化器・内分泌外科 診療科長

平田 敬治 先生

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この記事の最終更新は2016年01月29日です。

40歳以上になったら大腸がん検診を受けましょう―このようなお知らせを受け取ったことのある方も多いのではないでしょうか。関連記事「大腸がんの症状と原因」でもお示ししたように、大腸がんは50歳以降、年齢が高くなるほど多くなることがわかっています。大腸がん検診と精密検査について、産業医科大学第一外科教授の平田敬治先生にお話をうかがいました。

大腸がんは早期のうちに発見・治療できれば、ほとんど完治することができます。しかし多くの場合、早期の段階では自覚症状がないため、検査によって無症状のうちに発見することが大切です。大腸がん検診を受けるには、学校や職場での検診やお住まいの各自治体で実施している検診に参加するほか、個人でも病院や人間ドックで個別に受けることができます。

もっとも普及している検査は、学校・職場の検診でも実施している便潜血検査です。ただし、大腸がんやポリープからの出血以外の理由でも陽性になることがあるため、検査結果が陽性ならば「大腸がんがある」といえるわけではありませんし、逆に陰性だからといって大腸がんがないことを保証するものでもありません。

しかしながら、負担が少なく簡単に受けられる検査として、精密検査の必要な人を選び出すためには有効な方法です。検査結果が陽性になった場合には、精密検査をきちんと受けることが大切です。精密検査には直腸指診・注腸造影検査・内視鏡検査などがあります。

大腸カメラ、大腸ファイバーともいいます。肛門から内視鏡を挿入して大腸の内部をくまなく観察することができます。大腸がん検診の精密検査で行われ、がんやポリープに対する診断精度が非常に高い検査です。

ただし、検査前に腸の中を空にする必要があるため時間もかかりますし、患者さんにとっては心身ともに負担となる面があります。

内視鏡検査にどうしても抵抗のある患者さんには検査の必要性を十分理解していただき、がんのできやすい直腸〜S状結腸のところだけでもまず検査してみることをおすすめしています。

炭酸ガスで大腸を膨らませてCT撮影(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)を行う方法で、バーチャルコロノグラフィーともいいます。ガスを入れるためお腹が張る感じがしますが、肛門から内視鏡を挿入する検査に比べて患者さんの負担が少なく、大腸を傷つける心配がありません。本来は術前のシミュレーションとして行われる画像診断法ですが、海外では大腸カメラによる内視鏡検査に替わるものとして検診時に広く行われており、日本でも今後普及する可能性があります。

内視鏡検査で大腸にポリープが見つかったとしても、大腸がんになりやすく切除したほうがよいものと、当面心配のないものがあります。すぐに切除する必要のないものについては、定期的に経過観察をして主治医と相談の上で治療について決めるとよいでしょう。

また、大腸がんが見つかった場合でも、早期の段階であれば身体の負担が少ない内視鏡による治療が可能です。早期の大腸がんは予後もよく、完治する確率が高いがんですが、進行してしまうと手術が必要な場合があり、他の臓器への転移も起こりえます。そのため、大腸がんは無症状のうちに早期発見・早期治療をすることが望ましいといえます。

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