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インタビュー

医師のニーズに合った医療機器とは-ベンチャー企業で医療機器開発

医師のニーズに合った医療機器とは-ベンチャー企業で医療機器開発
伊藤 雅昭 先生

国立がん研究センター東病院 大腸外科長、 国立がん研究センター/ 先端医療開発センター 手...

伊藤 雅昭 先生

この記事の最終更新は2016年04月13日です。

国立がん研究センター東病院 大腸外科長ならびに先端医療開発センター 手術機器開発分野長の伊藤雅昭先生が携わっているプロジェクトのなかに、株式会社A-Tractionでの腹腔鏡手術支援ロボットの開発があります。近年、医療機器開発では「医工連携」が進んでいますが、伊藤先生はベンチャー企業で医療機器開発を進めています。本記事では、医師のニーズに合った医療機器の開発について、ベンチャー企業で開発することのメリットについてお話しいただきました。

A医師がある医療機器を評価しても、B医師やC医師が評価しなければ医療機器は世の中に広まりません。一般的なニーズの見極めが非常に重要であると考えています。例を挙げるとすれば、「iPhone」です。当初は多くの方が新しい携帯電話の形に驚き、使わないとさえ考えていた方もいたのではないでしょうか。しかしいまや誰もが知っていて、多くの方に使われています。つまり、多くの方のニーズだったのです。このように医療機器も、多くの医師のニーズとなりうるものを開発していくことが重要なのです。私はA-Traction社と連携して腹腔鏡手術支援ロボットの開発を行っていますが、私の考える医療機器が多くの医師のニーズであるのかどうか、非常に楽しみなところではありますし、そのようなものを作らなければならないという責任も感じています。

日本の医療機器業界は黎明期です。医工連携(医学従事者と工学従事者の連携を深めること)が進み、よりよい医療機器の開発が進んでいます。医工連携によって優れた医療機器が開発されることもありますが、わたしはベンチャー企業で開発するという形をとりました。その理由は、医療機器の開発前の段階で、その医療機器が世の中に受け入れられるかどうかの判断ができるからです。

ベンチャー企業は、投資家から多額の支援をもらいます。投資家もベンチャー企業の掲げるプラン(医療機器)を評価しないと支援をしません。つまり、医療機器開発の計画段階で医師と投資家の目利きが働くのです。本当にこれから開発する医療機器が世の中に受け入れられるのかをとことん話し合うことができるのです。そういった意味で、ベンチャー企業で開発することには大きなメリットがあると考えています。

NEXTのなかの活動のひとつに、C-square(シースクエア)という活動があります。C-squareは国立がん研究センター、千葉大学、千葉県(行政)、千葉県産業振興センター(千葉県の中小企業)が連携し、地域発の製品化・事業化を促進するプロジェクトです。医師と企業が共同して製品を開発するもので、千葉県が全国に先駆けて取り組んでいます。このような取り組みが全国に広まることで、日本発のすぐれた医療機器の開発が活発化されるのではないかと期待できます。

国立がん研究センター東病院には、2017年に新しい病棟ができる予定です。新しい病棟ではNEXT(次世代外科・内視鏡治療開発センター)の開発フロアができる予定で、ますます東病院における医療機器開発が加速していきます。また手術室も増えますので、最先端の医療を多くの患者さんに提供できると期待しています。

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  • 国立がん研究センター東病院 大腸外科長、 国立がん研究センター/ 先端医療開発センター 手術機器開発分野長 、株式会社A-Traction 取締役、日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 ストーマ認定士

    伊藤 雅昭 先生

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