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インタビュー

公開日 : 2017 年 04 月 20 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

膵臓がんの生存率とは 大きく変容した膵臓がんの予後 生存率・再発率に関する最新エビデンスを解説

静岡県立静岡がんセンター
上坂 克彦先生

膵臓がんは最も予後が悪いといわれるがんです。しかし、近年の研究成果により膵臓がんの予後は大きく変わってきました。本記事では、膵臓がんの生存率、そして予後の改善が期待される背景について静岡県立静岡がんセンター 肝・胆・膵外科部長の上坂克彦先生にお話を伺いました。

膵臓がんの生存率 -ステージ別・全症例の生存率-

膵臓

がんの生存率とは

がんの予後を表すときには生存率という指標がよく用いられます。

生存率とは、ある集団(対象となった患者さんの集団)のデータを一定期間追跡して、生存している患者さんの割合を百分比(%)で示したものです。がんの種類や比較などの目的に応じて、1年、2年、3年、5年、10年生存率が用いられており、膵臓がんでは5年生存率がよく用いられます。

膵臓がんの5年生存率は約10%

【膵臓がんの病期別生存率】

病期

5年生存率(%)

41.3

17.8

6.4

1.4

全症例

9.0

参考:国立がん研究センター がん情報サービス(http://ganjoho.jp/public/cancer/pancreas/treatment_option.html

※病期(ステージ)分類には<日本膵臓学会 膵癌取扱い規約>第7版2016年が使用されています

上表は、国立がん研究センター がん情報サービスで公開されている膵臓がんの生存率です。

生存率は対象となった患者さんの、診断時の病期(ステージ)、進行度、特性(性別や年齢)などによって大きく変わってきます。上表はそれぞれの病期ごとに生存率を示しています。すべての患者さん(全症例)のデータをみると、膵臓がんの5年生存率は9.0%であることが示されています。

膵臓がんの予後は不良といわれている

膵臓がんの5年生存率は、他のがんの5年生存率と比べると非常に低くなっています。こちらは全国がん(成人病)センター協議会で公表されている情報から、主要ながんの生存率を表にまとめたものです(2004-2007年診断症例)。他の主要ながんと比べると、膵臓がんの生存率は非常に低いことがわかります。

全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2004-2007年診断症例)

部位

全症例生存率(%)

73.0

大腸

75.8

43.8

肝臓

34.8

前立腺(男性)

100.0

乳房(女性)

92.9

子宮頸(女性)

75.1

膵臓

9.2

参考:全がん協生存率(http://www.gunma-cc.jp/sarukihan/seizonritu/seizonritu2007.html

なぜ膵臓がんは予後が悪いのか?

腹部を押さえる

「症状が現れない」「再発しやすい」ことが要因

膵臓がんの予後が悪い要因としては、下記の2つが挙げられます。

膵臓がんは早期発見しにくい

膵臓は、肝臓と同じく「沈黙の臓器」とよばれ、がんが発生しても症状が出現しにくいという特徴があります。そのため患者さんが自覚症状を感じたときには、がんが非常に進行しているケースが多いです。がんが進行してしまうと、手術が困難になり、抗がん剤による治療も奏功しないという状況になり、予後が悪くなってしまいます。

膵臓がんは再発しやすい

また膵臓がんは再発しやすいがんです。膵臓がんでは、手術ができるステージであっても、手術後、早期に再発してしまうことが多いです。

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