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食道がんの生存率、集学的治療の後では?
食道がんのステージごとの生存率、そして集学的治療を行った場合の治療成績はどうなっているのでしょうか。食道がんにおける集学的治療の第一人者である、国際親善総合病院病院長の安藤暢敏先生にお話をうかが...
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食道がんの生存率、集学的治療の後では?

公開日 2015 年 10 月 01 日 | 更新日 2017 年 05 月 08 日

食道がんの生存率、集学的治療の後では?
安藤 暢敏 先生

国際親善総合病院 病院長

安藤 暢敏 先生

食道がんのステージごとの生存率、そして集学的治療を行った場合の治療成績はどうなっているのでしょうか。食道がんにおける集学的治療の第一人者である、国際親善総合病院 病院長の安藤暢敏先生にお話をうかがいました。

食道がんの集学的治療の種類

ステージ

治療の種類

I

外科治療(手術)

化学放射線療法(放射線治療と化学療法の併用療法)

II

および

III

外科治療(手術)

外科治療(手術)と化学療法または化学放射線療法の併用療法

化学放射線療法(放射線治療と化学療法の併用療法)

IV

化学療法(抗がん剤治療)

化学放射線療法(放射線治療と化学療法の併用療法)

放射線治療

痛みやその他の苦痛に対する症状緩和を目的とした治療

それぞれの治療の生存率とは

食道がんの診断や治療を受けた患者さんを対象とした、病期(ステージ)ごとの5年生存率をみてみましょう。治療後にがんが再発する場合、大半がもっと早い時期に再発し、5年以上経過すると再発はほとんどみられなくなります。このことから、5年生存率は「がんが治った」とみなすことができる方の割合を示しているといえます。

以下の数字は外科治療だけを受けた患者さんのデータではなく、化学療法や放射線療法を含めた何らかの治療を受けた患者さんのデータです。

0期

I期

II期

III期

IVa期

IVb期

80%

79%

55%

39%

17%

9%

症例数:2,195例(2005年食道癌全国登録より)

 

また、食道がんの各種治療を受けた患者さんの治療成績からは以下のようなことがいえます。

放射線単独療法と化学放射線療法の比較

  • 放射線単独療法よりも、化学放射線療法が行われた患者さんのほうが生存率は良好です。

リンパ節転移をともなう進行がんにおける化学療法の併用

  • IIbでリンパ節転移をともなう進行がんにおいては、手術単独ではなく化学療法を併用することが推奨されます。ただしリンパ節転移が認められない症例では明らかな差がなく、化学療法は必ずしも推奨されるものではありません。

ステージIIおよびIIIでの化学放射線療法の5年生存率

  • IIおよびIIIで、根治的治療を目的として行なった化学放射線同時併用療法では、CR率(ほぼ完全に制御されている割合)は 62%、5年生存率は37%でした。
  • IIあるいはIIIといった進行がんであっても、手術をせずに抗がん剤と放射線照射の組み合わせで3人に1人はそのまま再発することなく完治したという臨床試験のデータもあります。

抗がん剤2剤による術前化学療法と術後化学療法の比較

ステージIIおよびIIIの手術について、標準治療として使われるシスプラチンと5-FUという2種類の抗がん剤を使って術前vs. 術後化学療法の比較をしました。術前化学療法を行なった場合の5年生存率が55%であったのに対し、術後化学療法を行なった場合は43%でした。このことから、手術後よりも手術前に化学療法を行なったほうがより高い効果が得られるということがいえます。

これまでの臨床試験や研究結果からも分かるように、今や食道がんの治療においては単独の治療で完結することはなく、集学的治療が標準的な治療となっています。今後も新しい抗がん剤や放射線治療の研究が進むことで集学的治療の効果がさらに高まり、食道がんの治療成績が向上することが期待されます。

食道がんの集学的治療における第一人者。東京歯科大学市川総合病院で食道がんの名医としてその名を広く知られる。同病院長を経て現在は国際親善総合病院で病院長を務める。JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)での活動をはじめ、国内のみならず国際学会においても長年に渡る活動・業績が高く評価されている。

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