記事1『消化管内視鏡とは—その種類とメリット』では、診断を中心に内視鏡検査の種類やメリットをお話しました。本記事では、内視鏡を用いた胃・十二指腸潰瘍の診断・治療についてご説明します。広島大学病院の田中信治先生にお話を伺いました。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬によって、胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、粘膜や組織の一部が欠損する疾患です。上腹部の痛みや胸やけ、膨満感などの症状が起こります。
診断は、問診や触診、内視鏡検査などの画像検査により行われます。出血を伴うケースでは、内視鏡的止血術や動脈塞栓術による止血を行います。初期治療として制酸剤(胃酸を中和する薬)を6〜8週間投与します。また、ピロリ菌が見つかった場合には、除菌治療を強く推奨します。ピロリ菌の除菌により胃潰瘍の治癒は促進され、再発の危険性は非常に低くなります。
胃・十二指腸ファイバースコピーが11,400円(拡大内視鏡:狭帯域光強調加算:2,000円)、内視鏡的消化管止血術46,000円です。
消化管狭窄(きょうさく:すぼまって狭くなる)は、内視鏡治療後の創あとや外科手術後の吻合(ふんごう:分離している組織を接続する)部で、または放射線治療、クローン病や悪性腫瘍などによって生じることがあります。狭窄が高度の場合、食事の通過障害を引き起こします。
良性の狭窄に対しては内視鏡的バルーン拡張術、悪性の狭窄に対しては消化管ステント留置術が選択肢となります。内視鏡的バルーン拡張術は、内視鏡を狭窄部位の手前まで挿入した後に狭窄部位にバルーンカテーテルをすすめ、バルーンを加圧して膨らませます。狭窄の程度に応じてバルーンの種類や長さ、大きさを選択し、拡張時間を調整します。一旦狭窄部が広がってもその後再び狭窄をきたすことがあり、繰り返し治療が必要となることがあります。
消化管ステント留置術は、あらかじめ金属ステントが収納された細いチューブで狭窄部位を通過し、内視鏡とX線で位置を確認しながらステントをチューブから出して展開します。狭窄の程度に応じてステントの種類や長さ、太さを選択します。
費用(手技料のみ)は食道で63,000円、胃・十二指腸で92,100円、小腸・結腸で91,000円です。食道・胃・十二指腸で124,800円、小腸・結腸で145,900円です。
JA尾道総合病院 病院長、広島大学 名誉教授、日本医学会 評議員
JA尾道総合病院 病院長、広島大学 名誉教授、日本医学会 評議員
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡指導医日本消化器病学会 消化器病指導医日本大腸肛門病学会 大腸肛門病指導医日本内科学会 内科指導医日本消化管学会 胃腸科指導医日本炎症性腸疾患学会 IBD指導医
1984年に広島大学医学部医学科を卒業後、同大医学部附属病院内科に研修医として入局。1986年より北九州総合病院内科、広島赤十字・原爆病院内科、国立がんセンター病院(現・中央病院)内視鏡部研修医などを経て帰局。1997年、ブラジル・リオグランデ州立大学消化器科客員教授。1998年、広島大学医学部附属病院光学医療診療部助教授。2000年に同光学医療診療部部長、2007年、広島大学病院内視鏡診療科教授。2023年から現職。
田中 信治 先生の所属医療機関
関連の医療相談が16件あります
背中、下腹部の痛み
2週間前から背中に痛み、下痢があり、ここ数日で下腹部に痛みがあります。 2週間前に痛みが気になり、病院に行ったらレントゲン撮影などをし問題ないから胃潰瘍ではないのか?と言った感じで診断され処方された薬を飲んだんですが治りそうになく別の病院に行きました。 そこでは十二指腸潰瘍と診断され処方された薬を1週間飲んだのですが、治ることはなく、下痢も2週間ずっと治らなく、健康な便が2週間1度ありません。 これから推測される病気はなんでしょうか? また、何科に行けばいいのかがわかりません。
薬の副作用について
3-4カ月前より腰回りに痛みがあり、原因が分からないため(CT 、レントゲン、血液検査は実施)とりあえずの鎮痛剤を病院で処方される。かなり強い鎮痛剤だったようで、徐々に胃腸の調子が悪くなり、先日体調がおかしくなり(吐気、だるさ)救急で病院で診察を受けるが、血液検査等では異常がなく、現在は自宅にて療養中 食欲がなく、怠さが続いている。 何科を受診すればいいのか。 薬についてはどうしたらいいのか。
背中の中央部分の痛み
4週間前から、寝て5〜6時間経つと背中の中央部あたりの内臓付近に鈍痛および激痛が走ります。MRIで見てもらったのですが、何も異常は無いとの事。痛みの程度は違えど、毎日同じ症状に悩まされています。他に何が考えられるでしょうか。また、どのようにすれば回復しますでしょうか。4週間前にあったことは転勤&引っ越しと1回ジムに行っています。それ以外はいつも通りの生活です。
胃痛、腹痛について
胃痛等について、質問よろしくお願い致します。 3年前に出産し、体型はかなりの肥満、猫背、反り腰です。 去年12月上旬あたりから胃の調子が悪く、今年1月に食道あたりまで痛くなり、自宅から近いかかりつけのクリニックで診ていただきました。 先生には胃痛と逆流性食道炎だろうとの事で ムコスタ錠、ミヤMB錠、ランソプラゾールOD錠30mg を処方され、現在3週間ほど服用しています。 胃痛と食道炎はだいぶ良くなっているとかんじているのですが、へその上の痛み(ウエストライン、ちょうどズボンなどの留め具のあたり)、ウエストラインより少し上の左右の痛みがなかなかよくなりません。 食事などを口にした時、就寝前、座っている時によく痛みが出ます。 痛くない時もあり、我慢できない痛みではないのですが、時々鈍痛があるので不安でいます。 ここの場所は胃?という場所なのですが、この痛みも胃痛なのでしょうか? 2年前に大学病院で胃カメラをした際には、ピロリ菌はなし、胃も食道もキレイだけど食道裂孔ヘルニアになっているていると言われ、今後問題なければ胃カメラは10年後くらいで良いでしょうと言われました。 それの他に去年9月から耳鼻科、産婦人科から薬を処方されています。 ベタヒスチン、カリジノゲナーゼ、メチコバール、アデホス、五苓散、桂枝茯苓丸 不眠の為、エチゾラム0.5 この薬を頂いてから現在まで10kg程体重が減りました。(食欲はありますが、最近は胃が痛くなるので食事を抑えています) 体重が減るのは漢方薬の作用でしょうか? 幼い子供がいるので治せる病気は早く治していきたいと思っており、もしかしたらガンなどではないかと余計なことを考えてしまい毎日不安でいます。 もし、胃以外の疑いがあるのであれば違う病院に行くことも検討しています。 つたない文章で申し訳ありませんが何卒よろしくお願いいたします。
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