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インタビュー

胃がんとはどんな病気?その特徴について

胃がんとはどんな病気?その特徴について
渡邊 清高 先生

帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科 准教授

渡邊 清高 先生

胃がんとは、胃にできる悪性の腫瘍です。
男性に多いがんですが、最近は胃がんで亡くなる方は減少してきています。日本国内では、東北地方の日本海側で高く、西日本で少ない傾向にあります。食生活や衛生状態の変化を背景に、今後減っていくと思われます。

以下にあてはまる方は、胃がんになりやすいと言われています。

  • 喫煙
  • 塩分の摂りすぎ
  • ピロリ菌への感染
  • 野菜・果物不足

胃がん自体には、特有の症状はなく、進行しても症状がないこともあります。主な症状としては、みぞおちの痛みや不快感、食欲の低下、胸やけなどの症状がみられます。

胃がんの検査として、以下のものを行います。

まず胃のX線検査(バリウム検査)や内視鏡検査が行われます。
これらの検査で、胃がんが疑われる場合は、実際に疑わしい部位の組織を一部採取し(生検といいます)、顕微鏡でがんがないかどうかを詳しく調べます。

がんが他の場所に転移していないか、がんの周りの臓器との位置関係などを調べるための検査です。胃がんでは、近くのリンパ節や肝臓への転移が多くみられます。

胃がんの治療は、手術(外科治療)、内視鏡治療、薬物療法(抗がん剤治療)の3つが中心になります。治療法は進行の程度によって決まります。

近年治療の成績がよくなりつつあり、生活の質を落とさずに治療の効果を得られるようになりました。

リンパ節の転移の可能性がほとんどない早期のがんであれば内視鏡を用いた治療が行われます。進行したがんの場合は、手術可能であれば手術を行い、抗がん剤治療(薬物療法)を組み合わせて治療を行います。手術が困難な場合には、抗がん剤治療を主体とした治療を行います。

早期の胃がんでは、内視鏡的粘膜切除術(ないしきょうてき ねんまく せつじょじゅつ:EMRとよばれます)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ないしきょうてき ねんまくかそう はくりじゅつ:ESDとよばれます)などの内視鏡を用いた治療、または手術を行います。

内視鏡を用いた治療は、リンパ節などへの転移の可能性がほとんどなく、内視鏡によってがんを取り切れる大きさと場所にある場合に行われます。内視鏡による治療を行った後で、転移の危険性が高いと判断された場合には、追加の手術が行われることもあります。

進行している胃がんでは、外科的手術が基本となります。また、離れた臓器への転移(遠隔転移)がある場合にはがんを全て取り除くことは難しいため、抗がん剤治療(薬物療法)が治療の中心となります。

胃がんの外科的手術では、

  • がんのある部位を切除する
  • 周りのリンパ節をとりのぞく
  • 食べ物の通り道を新しく作り直す(再建術(さいけんじゅつ)といいます)

の3つのことを行います。がんの場所によって、切除する範囲や再建の方法は異なります。

また、進行していて手術で切除することができない場合や、再発した場合などには抗がん剤治療(薬物療法)を行います。

その他にも、術後補助化学療法といって、がんの再発を防ぐために手術後に抗がん剤治療を行うこともあります。

最近では、“分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)”とよばれる薬が登場してきたことによって、抗がん剤治療の成績が向上しています。分子標的薬とは、がんが増殖したり、他の場所に転移したりするのに必要な分子を狙い撃ちにする薬です。

例えば、胃がんに対しては、トラスツマブ(ハーセプチン®)という分子標的薬が有効であることがわかってきました。さらに、ラムシルマブという血管の増殖を防ぐ薬も有効であることが示されてきています。

分子標的薬によるがん治療は、いろいろながんの種類で積極的に行われつつあり、胃がんの抗がん剤治療はこれから更に進歩していくと考えられます。

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